詩『エンタメの裏まわし』

隙間すきまのあいた時間に

頭から飛び込んで

次の予定まで

泳いでいたい

エンタメ。

不要不急の

濁流だくりゅう

飲まれても

どんな不祥事ふしょうじ

世間を揺るがす

震源となっても。

視線を

手招てまねきする

シュート前の

フェイク。

らした視線のかげ

ゴールへと

押し寄せる

摩擦音まさつおん

舞台上を支配する

黒塗りの空気。

先を争って

伸びてくる光を

したたるほど浴びる

主人公。

光の中へと

全賭ぜんがけする

神経。

明転めいてんと引き換えに

飛び込んでくる

異世界の背景。

はなし飼いの

欲望。

なにかの進行を

手助けする

夢中。

毒も薬も

ごちゃ混ぜにして

延命のため

五感に打ち続ける

エンタメ。




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