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危機感満載の、雪の日の新聞配達

今年の冬は特別寒く感じます。関東では雪の積もっている所が多く、車などの交通事故のニュースをよく見ます。
雪の積もっている所の方々は、慎重に運転していただきたいと思います。

新聞奨学生をしていた頃、雪が降った日は何度かありました。販売店は関西のあまり雪の積もらない所でしたが、年に数日積もった日がありました。

雪は新聞屋にとって大敵でした。とにかく配達がし辛いです。私の所属していた店の多くの従業員は、50ccのカブで配達していました。
雪の日に走るとスリップして転倒する可能性が高くなり、凄く危険です。

雪が積もる前に、カブの後輪にチェーンを巻いていました。これが結構な手間でした。
チェーンを巻く前に、まず空気を抜きます。そのまま巻こうとするとチェーンの長さが足りなるので、巻くことが出来ません。

チェーンを巻き終わると、空気を入れます。これで、バイクの準備は完了しました。

そして、新聞をバイクに積んでいきます。新聞を後ろの荷台に積んでいきますが、雪で濡れないように、しっかりとカバーをかけて防水対策をします。
配達先にはポストが小さくて、新聞を入れてもはみ出してしまう所があるので、何部かビニール袋に入れます。

現在では自動でビニールに包める機械があるようですが、私が新聞奨学生をしていた30年弱前はそのような便利な機械はありませんでした。

全ての準備が終わり配達に出ると、外は危険だらけでした。道は雪に覆われているので、メチャクチャ滑りやすくなっています。下手にスピードを出すと、スリップして転倒してしまいます。
いつもよりスピードを落として運転しました。そして、轍のある所を通りました。

ハイツやマンションに配達する時、バイクを停める時も注意が必要でした。雪のある所に停めると、勝手に動いて倒れてしまいます。そのため、バランスを取って停めないといけません。
常に注意しながら運転し駐車していました。

いつも以上に気をつけながら配達をしていましたが、何度か転倒してしまいました。
私の担当の配達区域は新興住宅地で、坂が多かったです。ゆっくり運転しても、下り坂で雪の積もっている所でコケてしまった事がありました。人や車のあまり通らない所は沢山積もっていて、雪を避けられませんでした。かといって、雪のない所にバイクを停めて自分の足で走っていくには距離がありすぎたため、どうしてもバイクで行くしかありませんでした。

寒い日にコケてしまうと、暖かい季節に比べると痛みまでも凍みてきて何杯もダメージを受けました。

雪が降るということは凄く寒いので、防寒対策も必要です。いつも厚めのコートを着て、防寒ズボンを履き、長靴を履いて配達していました。長靴を履くと靴の時より走りにくくなるので、マンションやハイツで時間がかかりました。
カブを運転する時も、いつもとは感覚が違うので、ブレーキとアクセルを踏む時は、確認しながら踏んでいたと思います。

ヘルメットは半キャップだったので、フルフェイスのように顔をカバーする事ができません。フルフェイスで配達をするとなると動きにくいので、いつも半キャップを被っていました。
顔に冷たい風が直接当たると、冷たい感覚に加え、痛みを感じます。顔にも寒さを凌げるよう、スキーで使うマスクを着けていました。マスクが有ると無しでは全然違いました。

冬の日はいつも、軍手を二重にしてはめていました。中に普通の軍手をはめて、その上に滑り止めのついた軍手をはめていました。雪の日は氷が溶けて染み込んできます。手が悴んで、まともに新聞を取ることが出来ず、バイクのハンドルを握れませんでした。
凄く効率が悪く、凄く危険でした。
一度冷たい思いをしてからは、防寒防水できるしっかりとした手袋を使いました。滑り止めがないので、新聞を取れなかったので、これにも時間がかかりました。

配達前の準備といつも以上に慎重な配達で、いつもより1時間以上かかったと思います。
普段は6時前に終えていましたが、雪の日は7時を過ぎても終わらない時がありました。
7時を過ぎると顧客から「新聞はまだか」という苦情の電話がかかってきますが、雪の日は考慮して下さる方が多いようで、かなり少なかったようです。

危険なのは、雪が溶けて無くなってからも続きます。雪が溶けると路面は濡れた状態になります。その濡れた路面の表面が凍ってしまい、アイスバーンになります。

アイスバーンの上を走行すると、滑ってしまう可能性が高くなってしまいます。雪とは違って見にくかったです。
特に、下り坂のアイスバーンは危険でした。私も下り坂で滑ってしまい、膝に擦り傷を負ってしまった事があります。

そして、道路の端に残った雪は、凍って固まります。それが鋭角に固まると、バイクで通った時に踏むとパンクしてしまう事があります。

雪は本当に強敵でした。もう、二度と雪の日の新聞配達はしたくないです。


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