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ダイエット音頭

太りゃしないが痩せもせん
アそーれそーれ


毎朝毎夜、体重計に乗り首をかしげる。
体重は減っていても可愛らしく丸みを帯びた体型は変わらない(そう、カワイラシイ、だ!)

以前に同じようなことを書いたが、わたしはこの25年間のどこかで「最高に美しかった自分」という状態に出会ったことがないので、体型も顔も、もしかしたら性格でさえも全て延長線上のような状態で生きてきた。

体重だなんだ、というのは、もちろんダイエットを始めたからだ。
運動が苦手で食べることが大好きなわたしが著しい成果を出せるわけがないが、改めて自分を意識する時間が増えた気がする。
そもそもなぜダイエットをするかって、太りやすいこの体質とか、体調面のこととか諸々あるのだが、夏季休暇の予定を意識する中で何となくこれをしようという目標を立てたのだ。

それは今までのわたしじゃ口にすることさえも恥ずかしかった、夏の定番「浴衣」そして「水着」だ。


浴衣は小学生以来着ていないし、水着だって中学の水泳の授業もろくに出なかったから、こちらも10年ほどブランクがある。

まずそこに興味がなかった。それから恥ずかしかった。

変わった髪色にすること、見たことのない柄のシャツを着ること、それは楽しくて自分を生き生きとさせたが、浴衣や水着といった一般的に自分を着飾る行為はたまらなく苦手であった。
わたしの交友関係に積極的にそういう楽しみ方をする人が少なかったことも1つかもしれないが、いわばそういうものはわたしのテリトリー・分野ではなかったのだ。


10年間そうやって変わらずにきて、別にこのままで良いとも思っていたのだが、多分わたしは今「変わらないことに飽きた」のだ。

変わらないことと、変化し続けることは、どちらが尊いのだろうか?

今までのわたしなら絶対に「変わらないこと」と言っただろうし、今でも根本はそうだと思う。でも「変わらないこと」がひどくつまらないものに成り代わることも絶対にある。

わたしが変わらないことを誰かが価値をつけてくれるのか分からないけれど、そんな自分に自分で飽きているのならまた別の楽しみ方を探すことが良いと思った。


断っておくが、どこかの素敵な色男に「君の浴衣を見たいよ」と言われたわけでもないし、「海サイコー!カンパーイ!」などと酒をぶつけ合う小麦色の肌をしたまつ毛バシバシの女友達が出来たわけでもない。

また、海辺で「やーん、水つめたーい」と栗色の後れ毛をなびかせながらはしゃぐつもりも、「あっ、リンゴ飴大きいなあ、食べづらいよ~」などと口をすぼめてはにかむつもりもない。

あくまで、このもさっと傷んだパーマヘアをなびかせながら10年ぶりに触れる海水の温度を確認し、自分の口の大きさに見合った6個入りのたこ焼きを買って悦に入るくらいでいいのだ。

そういうわけで、最低限許せるくらいの体型に持っていきたいと思ったわけ。

いったんそのミッションが終われば、色んなものをまたたくさん食べたいと思っていて、最近はそのことばかり考えているから、結局のところ色気より食い気の方がわたしを幸せにしてくれることはほぼ間違い無いのだけど。

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