話の本質
友達数人と話をしていました。
ある友達が、皆に悩みを打ち明けます。
聞けば、彼女のお父さんは他所に女性を囲っていて、その人にお金が掛かるから、「進学を諦めるように」と彼女に言ったそうです。
ちなみに、彼女は無事、大学に行くことができました。
「お母さんに、別れるように言っとるんよ!」
お父さんとなかなか別れようとしないお母さんに、苛立ちを覚える彼女。
「お母さん、ストレスが溜まってて、ウチの犬をほうきでバシバシ叩きよるんよ!」「ウチの犬、可哀想やろ~?」
犬の話になると、何故か薄笑いを浮かべる彼女。正直、恐怖でした・・・。
なんだか、尋常ではありません。
彼女のお母さんは、それなりの考えがあって、現状を維持しているのでしょう。他人がとやかく言うことではないのですが・・・。
突然、ある友達が口を開きます。
「お母さん、お父さんのことを愛しているんだわ!」
この友達、人の話を何でも美しいものに仕立て上げるという傾向がありました・・・。
すると、その他の友達まで、「そうよね!素敵な夫婦だよね!」などと言い出す始末。
「あれっ、そんな話の流れだったっけ?」と1人思う私。
そっと、本人の表情を窺ってみたところ、明らかに強い不満の色がにじみ出ています。でも、無言の彼女。
「そうじゃないだろ~!」と言えれば、どんなに楽になれることでしょう。
「今日は、いい話を聞けて良かったよね!」などと、勝手に清々しい気持ちに浸る友達を複雑な思いで見つめる本人と私。これが、集団の力の恐ろしさ・・・。
世の中にある「共感力」という言葉が、虚しく心に響いた瞬間でした。