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20231221 たこのちぶるに思う〜ボーシクマーへの道

息子が突然伊江島の話を始めたからどうしたのかと思ったら、編みかけでおいてあった「たこのちぶる」を指差した。


これね。

伊江島に行った時、帽子の勉強に来ていたカフェのお姉さんがたこのちぶるを見せてくれて、これが帽子になるんだよ、って教えてくれたんだ。それで、今がんばって編んでいる帽子を誰よりも先に特別にかぶらせてくれたんだ。似合うねって言ってくれて、それがとてもとても嬉しかったんだ、って。

すぐ隣にいたはずなのに、ぜんぜん気づかなかった。
知らないことを、たくさんの人たちがいろいろな形で教えてくれて、それが知識になってつながっていくんだな、と思ったらとても嬉しかった。

琉球パナマ帽は、戦前沖縄の主力な産業だったけれど、戦後復活することがなく、途絶えてしまいそうになった歴史を持つ。
熱意ある人たちが、まだほんの少し残っていた歴史とその証人を集めて、それをつなぎとめるようにして、また息を吹き返した尊いもの。
その琉球パナマ帽を、息子が興味を持つような形で伝えてくれた人がいて。
そんな新しい知識をくれた、記憶に残る人たちと出会えた伊江島にまた行きたいね、と言っている。
なんだか、とても素敵だと思った。

晴れた日に、また伊江島に行こうね。
息を切らして自転車こいで、山に登って海に飛び込んで、道端で買ったお弁当を食べて帰りの船でお昼寝するんだ。
その時は、今編み始めたこの帽子をかぶっていこう。

そんなことを思ったよ。

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