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大手企業からスタートアップに転職して1年の感想

ようやくちょうど転職して1年。あっという間の1年間を自身の備忘録として、スタートアップへの転職を考える人に向けて書きます。転職してよかったこと、難しかったこと・勘違いしていたことについて以下思いつくがままに振り返ってみる。

まず難しかったこと・勘違いしていたこと。

異業界への営業管理職としての転職はメンバーを納得させるだけの成果を出すまでに時間がかかる

今回異業界への営業管理職としての転職だったが、メンバーから「こいつそもそも力量あんのか?」という目線は勿論あるし、自分自身も確信を持って話すためにはやはり成果で黙らせないといけない。最初はここを軽く考え、あまり現場に出ず仕組みを作りに行ったが、うまくいかなかった。要因は二つで、一つは仕組みをつくろうにもある程度現場を知らなければずれたものになってしまう。二つ目に現場を動かすための周囲のこいつのいうことなら聞いてみようという納得感を醸成すること。

商品力のあるプロダクトだからある程度売れるだろうとたかを括っていた

これは完全に見誤っていた。見誤った理由は、事業が前職と比べ圧倒的に成長していたこと・営業メンバーが商品案内だけ(に見えた)で売れた姿を見たこと。特に後者が自分の中で強烈に残ってしまったことが問題だった。

大手企業は揃っていて、スタートアップは揃っていないということをわかっていなかった

よく言われることであり、データの分析一つにしても自分で手を動かせねばならない、人事制度もない、あれもないこれもないということは感じていた。この何がないかの中で、ないと致命的で不可逆なことは何かを見極めることが最も重要だが、それを考え抜かないまま、ないものの中から自分が出来そうなことに手を付けてしまったこと、ないことの環境に徐々に慣れてしまったことが振り返るとまずかった。特に何が致命的なのかを見極めないと時間もない、人もいない中で優先度の低いことに時間を割いてしまうことになる。

自由に考えていいよの難しさ

大手企業はルールがあり、分業されており、窮屈と感じるところもあったが、ある程度説明がつけば投資も厭わない、自由に設計していいとなると今の事業の何が課題かということと、何ができれば事業が前進むかを徹底的に思考しなければいけないことを今更ながら感じる。そして自分1人の思考は限界があるので、もっと社内外問わず聴きに行った方が良かった。ルールの中でうまくやる、その範囲内で秀逸なマネジメントを行い高い成果を出すこととルールの外のことを考えるのは全く筋肉が違う。

難しかったこととほぼ通じるが転職してよかったことは以下。

自由に考え、説明責任を持ち、実行する力が付く

前職でも実施していたつもりだったが、飽くまで一部の戦略を大元から作る人達の作ったものをうまく成果を出すための仕事をしていたことを痛感した。戦略を立てるのは一部の人でよく、後の大多数はいかにそれをエクセレントに実行させ切るか、実行するかが問われているので、戦略を自分で立てる力を身につけるチャンスをもらえたことは本当によかった。

同僚・周囲と比較しなくて良くなった

大手企業では自分の5歳前後くらいの人達と熾烈な出世争いをしていた。当時はそこまで自覚していなかったが、常に周囲と比較していたし、それをうまく利用する会社の仕組みもあった。そこは精神を擦りへらす要因にもなっていた。今はそういうことがほぼない。同じような経歴の人がほぼいなく、比較するよりも知恵を借り、とにかく仕事に向き合わなければいけない。

1年間振り返ると間違いなく転職してよかった。今年はもっと良い一年にし、自身で設計・実行し事業を前に進める経験を積みたい。

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