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銀幕スターの素顔に迫る~オードリー・ヘプバーン

編集部のエイミーです。
「映画館で見る映画の良さを多くの人に伝えたい」
そんな思いで映画と映画館愛を語ります。
 
ドキュメンタリー映画「オードリー・ヘプバーン」(ヘレナ・コーン監督/100分)を見ました。タイトルの通り、ハリウッド黄金期の伝説的スター、オードリー・ヘプバーンの知られざる素顔に迫った初のドキュメンタリー作品です。

鑑賞したのは、広島のデパート福屋8階にある映画館「八丁座」。十三人の刺客で使用された、ふすま絵が出迎えてくれます。

1929年生まれのオードリーは幼少期から青年期まで、第二次世界大戦という過酷な環境で育ちました。また幼いころ、父親による裏切りを経験するなど過去のトラウマと一生涯向き合わざるを得ない人生でした。初の主演映画「ローマの休日」でアカデミー賞を受賞するなど華やかな世界で活躍する一方、幾度の離婚を繰り返して愛に破れるという苦悩の日々も経験します。後年は、ユニセフ国際親善大使として世界中の子どもたちのために生涯を捧げました。ジバンシーとの交流や撮影秘話など貴重なアーカイブ映像、オードリーの長男や孫、友人ら近親者たちのインタビューとともに、彼女の人生が鮮やかにスクリーンによみがえります。
 
チャーミングで美しく、華のある女性。それが今まで抱いていたオードリー・ヘプバーンの印象でした。このドキュメンタリーは、そんな彼女が実は静けさと質素を愛し、何よりも子どもたちへ愛情を注ぎながら暮らすことを望んでいたのだと教えてくれます。晩年、ユニセフの親善大使として難民救済に命を捧げたオードリー。これも成功者の証としてのチャリティーではなく、まるで喉の渇きを潤すかのように、心の底から共感し没頭していく様子が描かれています。外見の美しさに加え、内面からあふれ出る清らかな透明感が「オードリー・ヘプバーン」をつくっていたのだと改めて感じました。
(編集部・エイミー)

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