旅をする木/星野道夫

積読本📚の中から、星野道夫さんのエッセイ
｢旅をする木｣を拝読しました📖´-
(2022,11,30 読了)

こちらの企画に参加したくて、ちょうど積読本📚の中にあった本書を拝読することにしました。

写真家・星野道夫さんが自然と動物、そしてその自然界と共存する人々を静かに語ったエッセイです。
私は星野道夫さんのことは、偉大な写真家で最期はクマに襲われて亡くなってしまったということくらいの知識しかないまま拝読したのですが。。。


未知の地なので当然どんなところか想像もできないけれど、星野道夫さんの文章に誘われ時空と国境を越えてまるでその場にいるかのような感覚になりながら拝読している自分がいました。


写真に魅せられ、自然界とアラスカに魅せられた星野道夫さん。
自然界を本当に愛したからこそ語られる文章だと思います。
そして、自然界から学んだことを惜しみなく読者へと伝えてもくれます。




こんなに自然界を愛した方なのに最期は自然界によって命を絶たれる羽目になってしまったことが、私にはどうしても解せなくて、悲しくて。
そのことを大切な人に話してみたのです。
そしたら、自然界を愛したからこそ自然界の弱肉強食という掟によって命を絶たれたのだから、それは本人にとっては自然なことだったのではないかというようなことを言われて、やっと納得できたように思います。
自然界と共存した一人なんだと。

自然はいつも、強さの裏に脆さを秘めています。そしてぼくが魅かれるのは、自然や生命のもつその脆さの方です。

｢春の知らせ｣より

喧騒の中で生きていると、目の前のことばかりに集中して大切な何かを見失いがちになってしまいます。
当たり前のように生きているけれど、それは決して当たり前なのではなくいくつもの奇跡が組み合わさって生かされているということを教えてくれるような一冊でした。




確か母の本棚に星野道夫さんの写真集があったと思うので、そちらも拝見してみようと思いますし、行き詰まったときには本書をまた再読して背中を押して貰いたいと思います。

旅をする木 (文春文庫)

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