明け方の若者たち/カツセマサヒコ
ライター #カツセマサヒコ さんのデビュー小説、 #明け方の若者たち を拝読した。
2010年代に青春時代を過ごした若者たちのお話し。
ワタシが思うこの小説のキーワードは、
『何者にもなれなかった』
『こんなはずじゃなかった』
若者たちのことを描かれているのだけれど、青春時代をとうに過ぎたワタシにも共感できる部分が多々あった。
若い頃は、いい加減でただ楽しいことだけを選択していたワタシ。
アラフォーになってやっと自分と向き合うことを覚えた。
今もなお何者にもなれてなくて、こんなはずじゃなかったと思うことはある。
でも、やっとこの歳になり、誰かに承認されるような何者になれなくても、自分らしく生きていくことの大切さが薄々解ってきたような気もする。
こんなはずじゃなかったけど、ここまでの自分を否定せず、やっと認められるようにもなってきた。
そうなれたのは、モヤモヤを放っておかずに向き合ったお陰なのだろう。
未だにモヤモヤすることもあるし、このままで人生を終えたくもなく、もう少し納得のいく人生を送りたいという望みは捨ててない。
主人公の親友尚人が人生を野球に喩えた言葉でとても印象深かったものがある。
『人生は、何回空振りしようが、一発当たれば認められる。だから打席には多く立った方がいいのよ、きっと。』
『バッターボックスから降りられない状況をつくって、バッドを振り続ければ、いつか一本くらいホームランが出る。そのときまで、ひたすら三振し続ける日常を受け入れることを"覚悟"って言うんじゃね。』
尚人のこの2つの言葉で少し救われた気がした。
まだまだこれから!
色んなことを否定して疲れてしまうのではなく、肯定しながら前に進んでいきたい。
カツセマサヒコさんの小説、デビュー作とは思えないほど素晴らしかった。
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