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本当はちがうんだ日記/穂村弘
購入本の中から穂村弘さんのエッセイ
「本当はちがうんだ日記」を拝読しました📖´-
(2023,7,1 読了)
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穂村さんが40代前半の頃に書かれたエッセイです。
相変わらずほむほむワールド全開で、先に拝読した「世界音痴」ではダメ男っぷり炸裂だったのですが、本書はそれに加えて変態っぷりまで炸裂していました。
以前、雑誌の取材で好きな女性のタイプを訊かれて、「やまで熊に襲われたときに僕を守ってくれるひと」と答えたら絶句された。
読者の私もドン引きである。
でも、よくよく思い返してみたら私の付き合ってきた男たちはこれに近しいものがあることに気づくのでした。
そんな自分にまたドン引きしたのはいうまでもなく。
しかしながらそういう男に惹かれてしまう自分を諦めている部分もあるのです。
ダメ男好きの性なのです。
ほむほむワールドを覗いているとダメ男と変態は比例するのではとも感じました。
変態=拘りが強いだと思うのですが、ダメ男と呼ばれる人たちは人から理解されにくい拘りがあることが多いなと。
穂村さんは絶対読まないと分かっているのに自分好みの装幀だったりタイトル文字だったりするとつい購入してしまうのだそうです。
ここまでなら私も共感できるのです。
いわゆるジャケ買いをしてしまうことは多々あるから。
ただ穂村さんは定価より値が上がっているとより購入欲が湧くのだそうです。
これはちょっと変態チックだなと私は感じたのですが、いかがでしょうか。
ドM魂が揺さぶられているようにお見受けしたのです。
そしてそんなほむほむワールドに惹かれる私はドMをも超越してしまっているのではないかと一抹の不安を覚えます。
更にこんな自分だから結婚できない等と言いグイグイと魅了しておいてサラリと妻の存在を登場させたりして、既婚者なのはもう理解していることなのにまた裏切られた感を味わうのでした。
と、穂村さんのことを散々ダメ男だの変態だ裏切り者だと申しましたが、毎回言うようにそこにしっかりとした知的センスと穂村さんの素敵なお人柄があるから魅せられるのです。
本書の中に公園で老夫婦がパンを分け合いながら食べていたというほっこりエピソードがあります。
そのエピソード自体も素敵ですし、その場面を切り取った穂村さんの心情もとても素敵でした。
拝読する度にドン引きしながらも魅せられて裏切られて、それに加えて多くの人が見ずに通り過ぎてしまいそうなワンシーンを切り取ってそこに感動するピュアな心を持ち合わせていて。
そんなほむほむワールドに惹き込まれ、読了後は嫌なこと全部吹き飛んで爽快な気分にすらなっています。
もうね、読書感想というよりもほむほむ宛のラブレターみたいになってしまいました😅
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