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そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります/川上未映子





図書館から借りてきた、川上未映子さんのエッセイ
「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」を拝読📖しました。
(2022,3,4 読了)






母のフォロワー(Instagram)さんがご紹介されていた本。
母とは、よく本の情報共有をしているのです。
川上未映子さんは気になる作家さんではありましたが、本書が初読。



2003年から3年間に渡り日時を綴ったブログの中から136本を抜粋し、収録した1冊。
ご本人のあとがきにもありますが、なかなか文章が独特で読みづらく、読了するのに時間がかかってしまいました。



なんていうんだろ。。。
頭の中にある言葉を全部言葉にして吐き出している感じ。
直接お話ししたらとても早口で喋るんではないだろうかという感じ。
(実際の川上未映子さんはゆっくり丁寧に会話される方でした。)



きっとね、とても賢い方なのだと思います。
自分の頭の中を明確に言語化できるのは本当に羨ましい。
でも、休み休み読まないと呼吸困難になって疲れてしまいます。
だからといって、面白くない訳ではないのです。
休んだらまた読みたくなる。
ちょっと中毒性があるようにも思います。
音楽で喩えるならパンク。まるで、セックス・ピストルズを聴いているよう。
拝読してる私の頭はリピート「アナーキー・イン・ザ・U.K.」。






ところで、川上未映子さんの他作品のレビューで、人工的な個性と表現されている方がいて妙に納得してしまいました。
確かに頑張ってる感があるのです。
ナチュラルではない。
でも、そこを否定する気にもなれない私もいます。

個性をなくすことこそが、その個性に意味を持たせる唯一の方法であるのになぜ我々は「個性」というものにここまで幻想を抱くのであろうか。





川上未映子さんと私はほぼ同年代で、同じ時を生きていたり、水商売の経験があったり、親元を離れ上京したことがあったりといくつか共通点があります。
川上未映子さんがブログを書かれていた2003年頃の自分を振り返ると、関東に出できたばかりでとにかく生きることに必死でした。
色々と葛藤しつつも自分は何者であるかを模索し、個性的であろうとしていたようにも思います。



この頃は苦しい時期でもありました。
本書を拝読していると、そういうことが思い出されて呼吸困難になりそうになったのかなと。


川上未映子さんなかなか癖が強そうですが、他作品も追いかけてみたいかも。


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