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エンジェルエンジェルエンジェル/梨木香歩



#梨木香歩  さんの著書、
#エンジェルエンジェルエンジェル  を拝読しました。




孫のコウコの心情と寝たきりに近いおばあちゃんの少女時代の記憶が交互に描かれたお話しです。

熱帯魚を通して、孫と祖母が話しをするようになり、孫は現在の自分と向かい合い、祖母は過去の自分と向かい合い。

それぞれの呪縛が明確になり、解放されていく様子は、読者である私の心も解放された気持ちになりました。

人それぞれ、何かしらの罪を背負っていたり、呪縛があったりするのだと思います。
そこから解放されるには、自分と向き合い自身を許すことが大切なんだとも思います。


⚫「神様がそう言ってくれたら、どんなにいいだろう」
「私が悪かったねぇって。
おまえたちを、こんなふうに創ってしまってって。」
(祖母さわちゃんの言葉より)

⚫その時点ではわからずにいた言動が、あとになって全体を振り返ってみると、あらかじめ見事にコーディネートされた一つのテーマに統一されている。
(孫コウコの心の声より)



本書はとても短い物語ですが、梨木ワールドにすーっと惹き込まれ、読了語には気持ちがスッキリ軽やかになるとてもいい作品です。

梨木香歩さんが人気なのが改めて納得できる一作でした。


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