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マイ・ハウス/小倉銀時



映画の感想を書いて力尽き、気づいたらもう三月が終わろうとしているじゃありませんか。
今月読了分の本の感想はまだ一冊しか書けていない。よしっ、とやっと気力奮い立たせた私です。




積読本📚の中から、小倉銀時さんの長編小説
「マイ・ハウス」を拝読しました📖´-
(2024,3,1 読了)



小倉銀時さんは本作が初読。
こちらは大好きな”本屋 月と犬”さんが前にご紹介されていて気になり積読📚していました。購入後すぐに読まず積読📚して熟成させ、時が来たら拝読するのが私の良い(?)ところ。





現状の生活に疲れ果てた団地住まいの女と、自分の現状を理解できないまま過去にしがみつく女の物語です。
自分の現状を理解できていない女の家は競売にかけられており、その家を巡って2人の女の運命がぶつかり合います。
登場人物はどこにでもいそうな普通の人たち、物語の中で起こることは身近でも充分起こりえそうなこと。
登場人物たちがそれぞれ自分勝手なところがよりリアルさを感じます。




どこにでもいる人々が、どこにでもある日常がささやかなことで狂気へと変わりゆく恐ろしさがジワーっと滲み出ているような物語でした。誰も報われないし、不穏な空気を残したままの読後感。
でも嫌いではありません。どちらかというと好き。


あたしは、ほんとうはあの虹のようになりたかったんだ。人から仰ぎ見られて、ただ美しくそこにあるようなものに。




現状の生活に疲れ果てた団地住まいの女の言葉がただただ切ない。
こんなはずじゃなかったという思いは共感できる。
現状を打破するために行動に移したらきっといい方向にむかうはずという期待をしたのに…
結局は何かに抗うように行動へ移しても自身の心の持ちようが変わらないなら何も変わらないし、最悪は今よりもっと悲惨な状況になるだけなんだと実感します。
この物語のようなことは私の身には起こっていませんが、本当にそう思います。
ただ、私は周りに優しい人たちもいるので救われているのだれけど。


本書を執筆している時著者自身も窮地に追い込まれていたような状況だったのだそうです。だからよりリアルに感じるような物語になっていたのでしょう。
窮地に追い込まれた時の心の持ちようによって良くも悪くもなるのだと感じた物語でした。


小倉銀時さん、体調崩されていたようだけど、その後どうされているのだろうか。とても気になります。




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