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バイリンガールちかさんの炎上から私が考えたこと

私は高校生の時から、いや正確にいうと小学校の頃から英語が好きだった。今でも覚えている。小学校5、6年生の時、ALTの時間に習ったJanuary〜Decemberまでの単語を家に帰る途中も頭の中で何度もリピートしていたし、家のトイレに貼ってある黄色のカレンダーを見ながら1人でブツブツ言っていたのを今でも覚えている。ある程度言えるようになると次はDecemberから順に言う、などと工夫しながらたった12個の単語を夢中になりながら覚えていた。

そんな私が、高校生の頃に初めてバイリンガールちかさんという人を知った。ちかさんは日本の女性ユーチューバーの1人で、158万人の登録者を持つ方(現在は)。たくさんのちかさんの動画を見て、私も将来は「こんな大人になりたい」「英語を使った職業に就きたい」「色んな国を旅したい」とたくさんの夢や希望を与えてくれた。

ちかさんという人物を簡単に紹介しておくと、英語の文法や発音、ニュアンス、文化についての発信をされている。彼女自身、小学校一年生の時にアメリカに移住し、大学卒業まで海外で生活をされていた。
だから英語を流暢に扱い、どちらかというと日本語が第二言語のような部分もあるだろう。しかし、現在は日本を拠点に活動しており、日本語も何不自由なく扱えるまさに「バイリンガル」である。
彼女の動画は英語を使って、旅行や、食レポ、彼女の日常生活を配信したりと、近頃はノマド生活を送りながら海外から私たちに動画を届けていた。さらに、英語圏への旅行時に使えるアプリを作ったり、書籍を出版されたりと多岐に渡る活躍をされている女性。

そんな、バイリンガールちかさんが最近出した動画が物議を醸している。端的にいうと彼女は現在、世界各国でプチ移住生活を送っていた。ここ最近はマレーシアの首都クアラルンプールで生活していたのだ。そしてちょうどこのコロナウイルスが流行り始めた。
だから彼女は日本に帰りたい、と考え感染拡大中の日本に今帰ることを動画で視聴者に伝えた。
そしたら、多くの視聴者から「帰国しないで」「そのままマレーシアにいて」「自分勝手すぎる」などと批判的なコメントを数多くされた。

詳しくは彼女の動画を見てほしい。
動画①

動画②

ここからが本題である。私は彼女の動画を見て何が問題か全くわからなかった。
おそらくちかさんもちかさんの旦那さん(通称おさるさん)もなぜ自分たちがここまで炎上しているのかよく理解していないだろう。

このコロナウイルスが流行る昨今、今のこの時だからこそ人間の本質がわかると言われているが、それは視聴者に対しても同じことが言えるのではなかろうか。

まず最初にこのコロナウイルスが全世界で感染が拡大中の状態で、自分の国へ帰ることの何が悪いのだろうか。たしかに彼女は2月の半ば、諸事情により一時帰国をしていた。その時点で多くの人がもう一度クアラルンプールに戻らず日本にそのまま滞在していたらよかった、などの意見が多かった。
しかし、それはもう過去のことであり、また戻ってくる予定だったので荷物や手続きがクアラルンプールに残っていたと思う。だからそのときのことを今更言うのはもうしょがないことであり、そのことをいつまででも批判するのはおかしいと感じる。さらに見当違いなコメントは本当にちかさんはもちろん、ちかさんのファンの私からしても腹立たしい。

ちかさんの投稿で1つ炎上の理由を挙げるとしたら、彼女はアメリカ育ちで、日本の視聴者にとっては、1本目の炎上の動画での〝言い方〟〝伝え方〟が適切ではなかったのかもしれない。
言い方というと私は帰国します!こんな状態でも私は帰国するんです!このように少し日本人にしたら、自我を主張しすぎだったのではないかとも考えた。
ちかさんなりに、あまりシリアスにならないようあえて明るく彼女の考えを伝えようと思ったのことが逆に裏目に出てしまった部分もあるだろう。

私のように、なぜこの動画が炎上したのかわからない人間は、この自我を出す、周りを考えない、などと言われるこの気持ちを悪いことではないと感じているからだろう。誰だって全て毎回1番良いタイミングで何か行動できるわけではないし、だからこそ今回の帰国もちかさんにとってはベストなタイミングだったということを理解できる。

しかし、海外好きの自己主張強めの私(妹)を、特に海外好きでもない姉に言わせれば、「それは自己中心的であると同時に、だからこそ海外でやっていけるのではないか」と言われた。これは、海外の人皆んなが自己主張の強い我儘と言いたいわけではなく、アメリカでは、自己主張することが良いこと、と捉えられるわけで逆に自己主張しない人間はミステリアスだと思われる。そうならば社会で生きていくためには自己主張をしよう、と努力する。ちかさんはなおさら幼いころからかそのようなアメリカで住んでいるならばあの動画のように主張することは当たり前ではないだろうか。
また国際感覚に優れている人ほど、なぜ炎上しているのかわからない、と言った声も多い。

動画の改善点を言うならば、もう少し、旦那であるお猿さんが、視聴者が日本人ということを深く考えた上で、ちかさんの言い方を日本人的に教えられたらよかった。
例えば、「こんな中、フライトするのは自分勝手だとは思いますが帰国することにしました」などと言うように常に低姿勢な態度であの動画を出すともう少し炎上を抑えられたのではないかと考える。

ちかさんは小学校1年生までしか日本に滞在されていなかった。その段階ではやはり、日本人特有の察してほしい、や、何かあればすぐ謝る、などといった暗黙の了解、のような文化を知らないわけで、いや知っているだろうがやはりこの緊急事態時には、そこまで気が回らなかったのではないか。

日本に住み続けて22年間の私でも、今の言葉の言い回しが適切ではなかったな、と感じることは何度でもある。言葉は良いように使えば、ものすごく誰かを幸せにも出来る。反対に、自分の適切な言葉を使わなければ知らないうちに相手を傷付けてしまう。

それに比べ、いや比べる対象が違いすぎるかもしれないが、田中将大の帰国の発表の仕方は全く批判されなかった。彼は週刊誌に掲載された後の報告だったがしっかりと、自分が誰かに感染させるのではないかという危機感を持っていること、政府の要請通り2週間自宅待機すること、極め付けは、ここが重要で海外からの入国者として責任ある対応をしたいと、しっかり日本国民が、この人は帰ってきても不安ではないことを上手く伝えたことにより批判されなかったのではないか。田中将大さんについてはあまり詳しく知らないが野球だけではなくスマートさも併せ持っているんだと思った。

結局、どこにいても誰かに感染させる可能性があるわけで、ちかさんたちが日本に帰国しようが、クアラルンプールに滞在し続けようが他の人間に感染されるリスクは変わらない。
では、クアラルンプールの人たちに、感染してもいいのか、という問題になるし、批判する人間こそ、自分のことしか考えていない。自分が感染する確率が高まることを恐れて、バイリンガールちかさんを批判しているとも考えた。
また、ちかさんは私たちに「旅の素晴らしさ」を伝えてくれる「仕事」なのである。ただの観光ではないこともこの炎上の件で考慮するべきだ。

最後に、第二言語を流暢に話す人はたくさんいるけれど、本当にその言語の文化までをも理解する、受け入れる、妥協出来る人は少ないと感じた。
私が外国語専門学校の第二言語習得論の時間で、【コロンビアでは相手の話を遮って自分の意見を言うことが良いことだと認識されている。しかし日本ではその行為が失礼に値する。では日本人の私とビジネス上で話し合うとき、あなたは自分の話を遮られたらどう感じますか】という問いがあった。

皆さんはこの問いにどう感じるだろうか。

全員が同じ意見を持つことはこの世の中でありえないことである。だからこそ面白く、でも喧嘩をするわけで。このちかさんの考えを受け入れられる心を持つこと、他人の文化や考えを尊重できることが今後の日本のグローバル社会にとって大切なことではないか、と私は考えた。

外国語を学習する者にとって、文法や単語を学ぶだけではなく、その国の文化をも理解しようと試みることが大事だと私は考えている。
私の好きなことわざであるように【When in Rome, do as the Romans do】【郷に入っては郷に従う】
日本人として誇らしい部分を持ちながら、どの国の文化にも対応できる柔軟性を今後も養っていきたい。

ps,私の大好きなこれまた国際系ユーチューバーであるなるみさんと、その母親的な存在のしのさんという方のPodcastが物凄く私が共感できる部分が多かったのでURLを載せておきます。ぜひ聴いてみてください。

シノブとナルミの毒舌アメリカンライフ

他にももっともっと伝えたいことはあるんだけれどこの辺で辞めておきます。
読んでいただきありがとうございました。

普段はこんな感じのを書いております。もっと砕けた文章です。

あちゃちゃちゃちゃ〜。