見出し画像

手すりの「材質」えらび方のキホン(手すり棒編)

ひとことで「住宅用手すり」といっても、お家の中にはリビング・寝室・浴室・庭などいろんなシーンがあります。
全部おんなじ材質の手すりで、いいわけがない。

たとえば屋外用手すりに向いてる材質ってなんだろう

今回はそれぞれのシーンに適した手すりの「材質」について、基本のご説明をしたいと思います。

※長くなりそうなので、今回は手すり棒のお話に絞りました。また次回以降で、ブラケットや支柱など支持金物の素材についてお話できればと。


木製手すり棒

多種多様な形と色の木製手すり棒

木製手すり棒を使う場所

水や紫外線の影響を受けにくい室内で使用します。

廊下の手すり
トイレの手すり

階段・廊下や居室(リビングなど)、寝室、玄関、トイレなど。
そこまで水濡れしないよってことなら、洗面・脱衣所まではOKでしょう。

できれば屋外用手すりも木製がいい!というお声はありますが、材質の特性として厳しいのが実情です。

気になるシックハウス対策は?

さて室内に木製の建材を使うとなると、シックハウスを心配されるお客様もいらっしゃいます。

実は、手すりってホルムアルデヒドの規制対象外なんですよ。
当社の木製手すり棒も、床材や壁材でよく目にする「F☆☆☆☆」は取得しておりません。

ただしその基準と同等の、ホルムアルデヒドの放散が少ない材料を使用しておりますのでご安心ください。

(日本農林規格<JAS>が定める集成材のF☆☆☆☆基準「ホルムアルデヒド放散量平均0.3mg/l、最大0.4mg/l以下」を満たしています)

金属手すり棒(ステンレスなど)

同じ金属でも表面加工によって表情が違います

ステンレス手すり棒を使う場所

オールステンレスの手すり棒は、主にアプローチなど屋外や浴室などの水まわり用としてご提供しています。

ステンレスと言っても、いろいろある

ステンレスにもいろんな種類があるのですが、当社が手すり棒に採用しているのは環境の厳しい屋外でも安心なSUS304。
クロム・ニッケルを含む耐食性に優れたステンレス鋼で、建材として最も多く使われているステンレス鋼です。

しかしちょっと硬すぎて、ねじの下穴をあけるのも大変なんですよね。

いろいろあるのね、くらいでOKです

ステンレスは錆びない?

ここでぜひ、記憶の片隅に置いていただきたいのが
ステンレス=ぜったい錆びない、ではないということ。

例えば、ステンレスの表面に鉄など他の金属が接触したまま放置すると、その金属の錆がステンレスにうつってしまいます(もらい錆)。
また他の金属に比べれば塩分に対する耐食性は高いとされていますが、表面に塩分が付着したまま放置すると錆びてしまいます。

「屋外手すりが錆びた!ステンレスなのに!」
→原因は、おばあさまの盛り塩だった…
なんてお話も、過去にありました。

もし錆びてしまった場合は、専用の金属用クリーナーで洗浄を。

ステンレスに発生した錆びを除去する方法の例

ステンレスの手すり棒は厳しい環境にも耐える強い子なのですが、いかんせん冷たく・熱くなりやすいのが難点。
特に日当たりが良すぎる場所の屋外手すりや、冬場はさむーい浴室手すりなどの場合は、よくご検討ください。

樹脂巻手すり棒

各材質のいいところをがっちゃんこした樹脂巻手すり棒

樹脂と金属のいいとこどり

金属手すり棒の「あちっ!」「つめてっ!」という短所を和らげてくれるのが、金属の芯に樹脂を被覆させた樹脂巻手すり棒です。
当社の手すり棒ではアルミ+樹脂、または鉄+樹脂の組合せがメイン。

金属の強さを欲しがりつつ、手が触れる表面は樹脂の優しさも欲しい。そんなわがままを叶えてくれる、賢い子です。

色も柄も自由に企画できますしね!
アルミや鉄ならまだ、ステンレスより下穴をあけやすいし!

樹脂巻手すり棒を使う場所

ステンレス手すり棒と同じく、主にアプローチなどの屋外や、浴室などの水まわり用としてご提供しています。

支柱部分はステンレス、手すり部分は樹脂巻手すり棒

室内用手すりシリーズの一部では、強度が必要な場面で使用する木目調の樹脂巻手すり棒を採用しています。

また、介護保険で福祉用具貸与(レンタル)対象となる商品にも、レンタルバック時のメンテナンス性や耐久性を考えて、樹脂巻の手すり棒を採用するケースが多くあります。

レンタル用の手すりは樹脂巻手すりが多数派

そして樹脂にもいろいろある

そんな賢くて万能な樹脂巻手すり棒ですが、ひとつご注意いただきたいことがあります。
「浴室用の手すりとして売られてるけど、水に強いんだったら屋外で使ってもいいだろ」というのはNGなんです。

水に強くても屋外には使えない、浴室用手すり

浴室用の樹脂巻手すり棒には耐薬品性、屋外用には耐候性のある樹脂を使っています。
水に強いのは同じですが、プラスアルファの部分が使用シーンによって異なるわけです。

水まわり用の樹脂巻き手すり棒を屋外で使ってしまうと、紫外線などの影響受けてすぐ劣化してしまいます。
同様に、屋外用の樹脂巻手すり棒を浴室で使ってしまうと、薬品の影響をうけてしまう恐れが高い。

使用する目的によって性能を付与できるのが樹脂の特長でもありますから、適材適所で選んであげてください。


余談ですが
時折、クローゼットなどで使われる収納用のステンレス巻パイプが、屋外用手すりとして設置されているのを目にします。

クローゼットが君のいいところを活かせる場所なんだよ…!
物干竿とかならぜんぜんよかったんだよ…!
※そのパイプに罪はないので

そのお宅の前を通りがかるたび、壊れてはいないかと肝が冷える思いでおります。

安全にご使用いただくためにも、手すりの材質は必ず「どこで使うか」にあわせて選んでくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?