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直感を信じる(高校選び編)

さっきまでこう思ってたのに、ちょっとしたキッカケや決断で全然違う方向に行くことって、結構あると思う。私も、直感を信じて決意して人生が大きく変わったことがたくさんある。

今日は、もう何年も前の話だけど、私が直感で決意した高校選びのエピソードを記録していく。

もうバレーはしないと決めていた

中学時代、私は小学生のころから続けているバレーボールに一生懸命だった。部自体はそこまで強くなかったけれど、身長は174㎝で、市内の選手の中でもそれなりに上手かったほうだったので、東海地区の長身者合宿や、県の選抜選手最終候補合宿に参加した。
いざ参加すると、ほかの人のほうがやっぱり上手で、こんな田舎者だめだ~って自信を無くしていた時もあった。でも、両親や学校の先生がとっても応援してくれていたので、下手でも下手なりに頑張ろうって思えて、慣れない辛い練習も最後までやり抜くことができた。結局県選抜には選ばれなかったけど、もう、やりつくした。そう思った。

中学3年生の夏には、最後の大会が終わって部活を引退。最後の試合は、あっけなく終わってしまった。これでバレー人生も終わりだと思った。

高校は国際的な教育に力を入れているところに行きたいから、バレーはもうしない、そう決めていた。


お誘い

部活引退後、高校受験の準備が始まる。
小さい頃から、将来は国際的な環境で働くこと、誰かの役に立つ仕事をしたいと思っていたので、そういったことを学べそうな高校を調べて、母と一緒に何校か高校の説明会に参加した。

同じ頃、県内のバレーの強豪校からの特待生オファーや推薦もあった。わざわざ遠いところから私の中学校まで来てくれた高校の教頭先生と部の顧問もいた。
でも、申し訳ないけど、私は全然興味がなかった。強豪校に入ったら、バレー漬けになって、今他にやりたいと思っていることをすることが難しくなるから。(実際に、ある高校では練習のために修学旅行や海外研修に行けない、選抜コースなので授業の一貫としてバレーの練習をするなど、将来設計をするには自分にとってかなり制限があると感じていた)

だから、全部断った。
中学時代の担任や部の先生に申し訳なかった。

そしてある日
また、お誘いが来た。
今度は学年主任からだ。テニス部の顧問で、部を県内強豪校に育て上げた人物(私の姉もテニス部で、先生のご指導のもと愛知県選抜選手に選ばれることができた)。

正直、もうバレーで高校に行かせないでくれ〜、と思った。

でも、先生はめちゃくちゃ熱い。
「一度でいいから、F高校のバレー部の練習に見学に行って欲しい。ここなら、勉強ややりたいこともできるはずだし、お前なら特進コースも行ける。バレーで県内強豪校だけど、勉強も両立して頑張れる環境があるはずだ。」

そんなに言うなら、行ってみようか。
たぶん行かないけど、視野を広げるためには良いかも。
ということで、母と一緒に部活の見学に行くことにした。


これだ!

F高校バレー部の見学のため、母と一緒に車で向かう。実家からは1時間半くらいかかる。

F高校に到着し、バレー部専用の体育館に入る。
すると、その瞬間、
「こんにちは!!」
と、ひとりのバレー部員の大きな声が体育館中に響いた。
そして、その部員がサッと2人分のスリッパを用意してくれた。
そうしている間に、私と母の周りに部員全員が集まる。
「こんにちは!」という気持ち良い挨拶と、爽やかな笑顔。

このような形で迎えられて、ちょっと恥ずかしかったけどとても気持ち良くて嬉しかった。

そして、顧問が座るベンチに案内される。
結構、大柄の男性顧問。厳しそうである一方、優しさもありそうな印象。
練習を見ながらお話を伺うと、なんと、この先生は、この高校の校長先生。そして、もともと英語科の教師で、フランスの日本人学校でも教鞭をとっていたらしい。グローバル人材教育にも関心がある。

そして部活に関しては、この高校が歴史ある女子校で、教養やマナーも重じているため、部活でも挨拶やマナー、おもてなしを徹底しているという。部のレベルは、当時は県で3番くらい。

部員は、40名くらいで、普通科や食物科、生活情報科に所属する学生が多い。授業数が多く国公立大を目指す特進コースの部員は、3名だった。3人とも成績は優秀で、バレー部でもレギュラーメンバーだった。

そのようにいろいろ話を聞いたあと、
私も練習に参加させてもらった。

やはり強豪校の練習は、ちょっとキツい。だけど、私をサポートしてくれた先輩がすごく優しく対応してださって、すごくやりやすかった。そして何より、私、バレーが好きだ!と思った。

練習を終え、再び顧問と話す。
はっきりした言葉は覚えていないけど、このようなことを教えてくださった。

「私は、学生が持つ可能性をどんどん広げていきたい。だからこそ、勉強と部活のどちらかに偏るのではなくて、文武両道で両方一生懸命に取り組んで欲しい。ひとつのことに一生懸命になることももちろん大事だけれど、常に広い視野を持って欲しい」

これだ!と思った。

私はやっぱりバレーが好きだし、この環境であれば、勉強もバレーも、人間性を磨くこともできる!そう思えた。また、環境をうまく使って自分で努力して広い視野をもち、道を切り開いていかないといけない、とも思った。

そして、この1日でこのF高校の受験を決意した。
昨日まで全然行く気がなかったので、正直自分でもびっくりしけど、一歩、勇気を出して踏み出した。

勉強をして、受験では特進コースを受け、なんと成績1位で入学することになった。


直感を信じるということ(振り返り)

今回は詳しくは記述しないが、結果、このF高校にして本当に良かったと思う。

もちろん、バレーと勉強の両立は本当に苦しかった。同級生の中でバレー部の特進コースは私だけで、特別授業でいつも練習の参加が遅れる。模試も多く、電車でも勉強した。しかし、先生方や部のメンバー、クラスメイト、そして家族に支えられて、3年間を全うすることができた。初めての短期留学を経験し、大会にも出場でき、志望大学にも合格することができた。

部活見学のあの一瞬で自分の直感を信じて決断できたのは、とても大きなことだったと思う。今の自分を形作った3年間にもなった。

そして何より、この直感を信じて決断することができたのは、F高校との出会いのキッカケを与えてくれた学人主任のおかげである。
当時、「こういう高校に行くんだ」と思って、ほかの意見にあまり耳を傾けずに流してしまっていた自分の視野を、広げてくれた。だから、本当に感謝している。


直感で物事を決めるためには、まず自分の考えを動かすリソースが必要だと思う。つまり体験やキッカケ。それがないと「これだ!こうしよう!」と自分に何か気づきを与えることは少ないと思う。
そして、体験やキッカケを得るには、目と耳を開くことが大事だと思う。
ちょっと変な例だけど、見猿・聞か猿のように目と耳を塞がずに、まず見てみること・聞いてみること。興味ないと思ったことでも、見てみたら/聞いてみたら実は興味を持つかもしれない。


最後に、直感を信じて行動するということは、自分自身に素直になり、自分の本当の気持ちと向き合うことだと思う。バレーが好き!って思ったように。

この社会では、直感や自分の意見だけで決めらないときももちろんあるけれども、少しでも自分が自分の人生を全うできるようにしたい。

だから、私はこれからも素直に、直感を信じて生きていきたい。

拙文ではありましたが、読んでいただきありがとうございました。


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