Kocha

日本語講師。東京通信大学情報マネジメント学部卒。バンタンデザイン研究所卒。現象学、読書…

Kocha

日本語講師。東京通信大学情報マネジメント学部卒。バンタンデザイン研究所卒。現象学、読書、映画、音楽、マンガ・アニメ、美術館と図書館、高円寺、ラーメンズが心から好き。

マガジン

  • あまいきもち

    カレとワタシの恋のお話

最近の記事

来ない

いつもの時間にメッセージが来なかった 知り合ってからずっと、ずっとずっとずっと ほぼ途絶えることなくメッセージが来た おはよー 今朝はそれが来なかった 昨晩から既読もつかない 浮かれてテロのごとく写真を送った 嫌われちゃったかな 不安なことがあって冗談めいて口汚い言葉を送った 嫌われちゃうよね いつどんな時も お話できない時も ワタシが心配しないように 理由を教えてくれたのに 嫌だなが積もって、嫌いだなになっちゃったのかな フラれちゃったのかな

    • ヤキモチ

      ヤキモチぐらい焼かせてよ 自信ないんだもん もっと見ていて欲しいし 手を離さないでいて欲しいもん まだまだたくさん知りたいよ 嬉しいことも少しぐらいの悲しいことも だって大好きだから だけど それはダメだっていうんでしょう? 破裂する前に対処してるの知ってるの 破裂なんてしないのに 妬かせてくれないのなら もう グッド・バイ

      • チクっと一刺しすればいい

        カレは隠し事をする。正確に言えば、隠し事ではなくて、ただ話さないだけだ。 どうして話さないのかと尋ねると、 「雰囲気が変わるのがわかるから、それが、苦手なんだ…」 ぼそっと呟いた。 ワタシから寂しさと悲しさと妬ましさが手に取るように溢れ出てしまっていたのだ。それをダイレクトに受け取ってしまっていた。 お腹がいっぱいになる感覚がまるでない仔犬のようにカレを貪りたいワタシは、 「話さない」をされてしまうとどこか不機嫌になる。 もっと知りたい、もっと触れたい、もっと聞き

        • 知っている

          カレは知っている ワタシの知らないワタシのこと カレは見られる ワタシが自分で見えないワタシを だから これからももっともっと教えてもらいたい カレの知っているワタシのことを カレだけが知っているワタシのことを

        来ない

        マガジン

        • あまいきもち
          25本

        記事

          研ぎ澄ます

          原石は磨けば光る…らしい。 レコード針を十数年ぶりに、いや、もしかすると数十年ぶりに交換した。 レコード針はダイヤモンドでできている。 それが音の刻まれた溝を擦って音楽を奏でる。 使い古した針でも聞くことはできるけど 何分溝に溜まった埃を回収してしまうから 音が跳んだり、ピュゥ〜とかいって演奏を終えてしまうこともある。 頻繁にクラブに通い、レコード店で新譜をチェックしたり、中古レコード店で欲しかったものを掘り出したり、そんなことをしていた時には気にもしていなかったが、

          研ぎ澄ます

          温もり

          久しぶりに会うカレは無精髭に少し白髪が混じり目尻のシワも少し深くなっているようだった。 近くにいれば会いたい時に会えるのだろうけど、 少し離れているカレとワタシが会うのには少しばかり工夫がいる。 だからできるだけたくさんのカレを体に思う存分染み込ませる。 強くしっかりと繋ぐ指はやさしく絡みつく。 深く抱きしめる腕は、柔らかいのに強くて少し強引でなんでも許してくれる。 笑顔、声、匂い、息遣い、指先で感じる肌、唇 どんなささやかな変化も見逃さないで、忘れることのないよ

          温もり

          それだけ

          このまま もうこのまま目を開かずに いてもいいかもしれない。 楽しかったり、嬉しかったりした残像を 何度も何度も繰り返して 見続けていたほうが 幸せかもしれない。 体が熱くて息がしづらくてうなされる。 風邪ひくのってこんなに辛いんだっけ。 あいまいになりつつある記憶の糸を 少しずつたぐりながら思い出す。 そもそもカレは ワタシになんてこれっぽっちも興味なんてなかったんだ。 ただ、あまりにもワタシが執着するから 少しだけそれに付き合ってくれていただけ。 それだけだ

          それだけ

          ひ・み・つ

          隠し事とか 小さなウソとか 多いんだ キミは だけどそれは 結局見えることになっちゃうんだから ヒミツ箱に仕舞わなくっていいよ どんなことだって、キミの一部 大好きなキミのかけら 見せてよ 誰にも何も言わないよ 約束するよ できるよ だって、大好きなんだから

          ひ・み・つ

          雨だ 雨はいいね 全部キレイに流していってくれる 音もいい 雨のにおい あれ、少し土っぽいような、そんなにおいでしょ 死んでしまったバクテリアが雨粒に乗って 土に帰るんだよ ワタシもそろそろ 雨粒に乗って カレのところから帰ったほうがいいのかな ワタシの乗った雨粒は カレの瞳から出発できるのかな 暖かくて優しいカレの雨粒

          忍び込む

          「もうそろそろガス欠だよ。本格的にね。早く助けにきてくれないと、壊れちゃうよ。そこまで、たどり着けなくなっちゃうよ。」 カノジョはよく駄々をこねる。 「近頃、本当にどうでもいいことにばかり振り回されていたの。だからぎゅーだけじゃ足りないんだから。もっとして。」 オレだってスゲー会いたいんだって思っていることに気付かされる。 そうだ。 オレだって、ふと気づけばカノジョが意識に忍び込んできている。二人で過ごしたヒミツの時間と遜色ないほど、静かにゆっくりと、奥深くまで浸透

          忍び込む

          ヒマと退屈と妄想

          退屈というのは三つの形式に分類され、それぞれが「引き止め」と「空虚放置」という二つの要素を持っているんだって。 でね、一つ目が停滞する時間に引き止められてしまって、焦って期待通りにいかない場合。その場合、退屈をなんらかの気晴らしをすることで相殺していく。ぼーっとしつつタクシーを数えるとかね。 二つ目は、気晴らしと退屈の根源が同じ場合で、退屈であることに不意に気がついてしまう場合。例えば、カラオケとか行ってみんなで楽しいけど、なんとなくあれ?ってときとかね。 三つ目は「な

          ヒマと退屈と妄想

          知らない時間

          共有していない時間がほとんどなの、ワタシたち。そう思わない? そうだね。俺は俺の時間を生きているし、キミもキミのを生きている。ほんの少しだけ交わる時間があるけれどね。 彼は知らない。 ワタシが1日のどれだけの時間を彼に費やしているのかを。きっと知りたいなんて、思ったことすらないに違いない。 それは大切なものがあるから。ワタシは彼の退屈凌ぎのおもちゃだ。 ほんの少ししか交わらない時間だけど、キミはいつだって俺のだよ。だから全部話してよ。キミは俺のなんだから。 ワタシは知

          知らない時間

          愛だって健康第一なんだ

          きっとまだこちらとあちらの狭間にいてもどれないでいるのだね。 新しい一年の最初の日を迎えたのはあちらだったのかな、それともこちらに戻ってきていたのかな。 出会ってから二度目の彼の新しい年の始まりなのに、彼の中にはワタシじゃなくて得体の知れない他の何かがいて彼をいじめている。 追い出して懲らしめてやりたい。ほんと、グーパンチでぶっ飛ばす。 何日も続く38℃を終わらせたい。 どうして彼の中にいるのがワタシじゃなくて得体の知れない他の何かなの、こんな大切な日に。 ワタシ

          愛だって健康第一なんだ

          ゼイタク

          満たされるなんて 本来なら簡単なことだ 爆音のダンスミュージックに包まれてお酒を飲んで踊り狂うとか 大好きなあの人の腕の中で愛を囁かれるとか そんなことでいいのだ。 だけど そんなことが 一番難しい 彼は ワタシのことは忘れてしまったから 覚えていて欲しいとか 忘れないで欲しいとか 烏滸がましいんだ だから、今夜も一人で酔えないお酒を流し込んで 眠れない夜を溺れないように泳ぎ抜く

          ゼイタク

          したい

          ふたりで したい。 その笑顔が見られるのなら どんなことも一緒にしたい。 だけど 彼はあんなことやこんなことを きっと彼の大切なあの人としているのだから、 ワタシが彼とそんなことしたいって思っていることはココロの中のロッカーに仕舞い込んでおかなくてはいけない。 ただ、夢の中で現実で仕舞い込んだのをロッカーから取り出して、彼にワタシもあんなことやこんなことがしたいってお願いしたら、一緒にしてくれるんだろうか。 それとも、その笑顔が陰ってしまうのだろうか。 ワタシ

          したい

          ヒビ

          「土鍋ってさ、ぶつけちゃってかけちゃったところからヒビがうっすら入ったりするじゃない。あれ、牛乳入れて煮ると直るらしいんだよ。」 「へぇー、なにそれ、カルシウムが骨を作る的な何かかな。」 そんな話をしたことがあったっけ。 ワタシもたくさん牛乳を飲んだら、塞がるかな、キズ。 数日前に小さな事故にあった。かすり傷程度だと思っていたし、徐々に治るだろうと思っていたのに、傷口から滲んでいた赤いのが日に日に大きくなってきている。どうしたのだろう。ハイドロコロイドでなおるのかな。