温もり
久しぶりに会うカレは無精髭に少し白髪が混じり目尻のシワも少し深くなっているようだった。
近くにいれば会いたい時に会えるのだろうけど、
少し離れているカレとワタシが会うのには少しばかり工夫がいる。
だからできるだけたくさんのカレを体に思う存分染み込ませる。
強くしっかりと繋ぐ指はやさしく絡みつく。
深く抱きしめる腕は、柔らかいのに強くて少し強引でなんでも許してくれる。
笑顔、声、匂い、息遣い、指先で感じる肌、唇
どんなささやかな変化も見逃さないで、忘れることのないように、すべて写しとる。
ほんの数時間しかない二人だけの時間も世界も
暖かくて柔らかくて居心地がいい。
できることなら、このままずっと一つになったまま離れずにいたい。
耳元で囁く。
「大好きだよ。」
大好きだよ。
きっと次に会うときは、もっと大好きになっている。
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