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【#8】7人との出会い⑥はじめてのメンター

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衝撃的な生き方をしている2人の女性との出会い

 「本当に自分がやりたいことを仕事にする」の1つ目の扉が開かれたのはこの時だった。会社を辞めて、約4か月がすぎたころのことだった。無職のため時間長者となった私は、毎日を少しでも充実させたくて必死になっていた。夫が仕事に出て行った後の部屋は、しんと静かで、窓からの春の日差しがポカポカと心地よく、それがかえって心の中の焦りと不安をいっぱいにした。

 「何かしなきゃ。そうだ、まずは目標になるようなメンターを探そう!」と、過去に出会ってきた方々から人生相談できそうな人に連絡を取ったり、気になるセミナーや勉強会に出向いた。とりあえず20人くらい会えば何とかなるだろう!と思って

・自分の好きそうなコンテンツを提供してくれる勉強会などに行く
・自分が好きだと思う人からの紹介をもらう

をやってみた。 

 そしてついに、5年先の未来の道筋となる出会いがあった。それは営業時代から、何年もお世話になっていた素敵な経営者の方に起業について相談した時のこと。ある女性経営者Sさんをご紹介を頂き、ランチのアポイントをいただいた。

 先の経営者の方からは、シンプルに「会うといいですよ。」とだけ教えていただいた。事前に女性経営者SさんのHPなどは読み込み、心臓が飛び出そうなほどドキドキしながら、待ち合わせした調布のレストランへ。Sさんはふわふわのカールした髪形が特徴的な、小柄な女性だった。お互いの自己紹介をしてすぐに、Sさんのエネルギッシュな芯と「自分の人生は、自分で決める」そんな姿にすっかりファンになった。

私もこういう人になりたい。が、次の扉をひらく鍵だった。

 Sさんは3人の子どもを産みながらも、自分の仕事をとても真剣に、そして楽しそうにやっていた。なんなら、お子さんの妊娠中に会社の登記をしたお話を聞き、私はハンマーで頭をたたかれたような衝撃を受ける。妊娠・出産=キャリアややりたいことからは一旦ドロップアウト!と思い込んでいたのに、そんなのとはぜんぜん違う人種が!世界が!目の前にあるなんて!!

 「子どもを3人も産んで育てても、こんな風にイキイキと仕事するっていう生き方があるんだ。自己犠牲感がない生き方が、ほんとにあるんだ・・・!」
 もちろんSさんは様々な苦難を乗り越え、努力されていたかと思うが、ライフイベントに人生を束縛されるのとは無縁の権化として目の前にいた。
しかも、笑顔で。私があこがれを抱くには十分すぎるインパクトだった。 

「どうやったらSさんみたいになれるんですか?私の先生になって、教えていただけませんか。」と聞いてみた。残念ながら今は受けられないということだったが、「もっと今のあなたに近い存在の人がいるから、その方を紹介しますね!」とさらにご紹介をいただくことになった。
 何もできない自分に優しくしてくれるなんて。こうして人と人をつないで下さるなんて、本当にありがたい・・・と心満たされるのを感じた。会社員の時に鎧のように着込んでいた「強がって良く見せようとするプライド」は、周りの人のやさしさのおかげで必要なくなっていた。

はじめの一歩は「すごい!」より「少し背伸びしたら届きそう」

 後日Sさんにご紹介いただいたTさんとお会いした。私よりも1~2年前に会社員から独立をした方で、年も少し上。結婚もされていて、おっとりとした癒し系の優しそうな雰囲気に見える女性だった。見た目とは違って、お話を聞いていくと超ハードに働いてきた経歴とストレングスファインダーや統計心理学などを活用したコーチングで女性の支援をしているという実績。
さらに、これまでの生い立ちや過去のコンプレックスその脱却の仕方まで瓜二つ!?と思うほどシンクロした方だった。

Tさん、優しくて誠実でストイックで大好き!!!


 それまで様々なセミナーや勉強会に参加してきてみなさん素敵だったけれど、自分とは少し遠い存在に感じてしまってあまり好きになれなかった。
 一方でTさんは、今の自分が背伸びすれば届きそうなところな絶妙な距離感と安心感、そして何よりも誠実で楽しそうだったのが魅力的だった。きっと経営者のSさんが紹介してくれたのも、そういう親和性があるからだと気付いた。Tさんは自分の失敗談も努力も包み隠さずお話してくれ、誠実でいいなと思った。

 「自分の好きなこととか、得意なことを仕事にできるんだよ。」

 Tさんからその話を聞いたとき、このままで帰れない!と思った私は
「それ、私にせんぶせんぶ学ばせてください。お願いします。絶対がんばりますから!!!」と、Tさんの提供しているサービスにはない個人メニューを勝手に提案していた。Tさんは面食らいながらも「・・・わ、わかった。何が出来そうかちょっと考えてみるね。少し時間もらっていいかな。」と受け止めてくれた。そして後日Tさんから一切の手抜きなしの丁寧な提案書とプレゼンテーションをもらった。フリーランスとして自分に何ができるのか・やりたいのか、3か月で棚卸しと商品作りをしましょう。というものだった。もちろんすぐにお願いした。
 
 経営者Sさんからは「妊娠・出産があっても人生は自分の意志で切り開ける」という可能性を見せてもらい、Tさんからは「自分のやりたいことを仕事にする」のお手本を見せてもらえた。あぁ、ようやく自分が走っていく道を見つけた。あのとき焦って転職しなくてよかった。あとはもう、教えてもらうことをやるしかない。
 目標を見つけた私の人生は、ここからの3か月で一気にモデルチェンジをしていった。
 

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