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お手伝いロボ

台風で一日中家にいる。コロナの時もそうだったが、家にいると穏やかな顔をしている。外の世界は楽しいだろうけれど、それなりにしんどいんだろう。

家にいると、だいたいはゲームをしたりYouTubeを見たり、車を並べたりと一人遊びをしているのだが、飽きてくると「お手伝いロボ」になる。


お手伝いロボというのは、ピタゴラスイッチという番組で時々流れる歌だ。その歌に合わせて、子どもがお手伝いをする様子が流れてくる。

彼はだいたい毎日「お手伝いロボします!」と、外の郵便物をチェックしに行ってくれたり、ガレージの入り口を開けたり、ペットボトルのラベル剥がしやトイレットペーパーの補充など、名もない家事を手伝ってくれる。


休日の「お手伝いロボ」はこちらがお手伝いを作らなくてはならないのでめんどくさい。正直、自分でやった方が限りなく速いことを、彼のペースで教えながらやるとけっこう疲れるのだ。

今日は洗濯物をたたんでもらった。彼の担当はタオル系のものだ。しわになっても気にならず、変な折り方でもOKなものといえばやっぱりタオル。うちは三人家族なのにタオル系の洗濯物がかなり多い。バスタオル3枚、フェイスタオルだいたい10枚、トイレやキッチンで使う手拭きタオル(ハンドタオル)30枚くらいが毎日のタオル系洗濯物だ。これを1時間くらいかけてゆっくりたたんでくれる。

最初はタオルのたたみ方さえわからずに、膝の上に広げたままぼーっとしている。毎日使っているものがどういう風にたたまれているのかとか、その形にするのはどうしたらいいいのかなどがわからなかったのだ。

横に座って一緒にたたむ。何枚たたんでも一人ではたためない。横に座らずに対面に座るとさらに困惑している。教えているこっちは「なんで?何がわからない?」と首を傾げてしまう。それを表現する術を彼は持たないから、ひたすら横に座って一緒にたたむ。

彼がたたんだタオルはなんとなくダラっとしている。メリハリがないというか、だらしない感じがするのだ。たぶん端をきちんと合わせていないとか、きちんと半分のところで折れていないからだろう。多少は目を瞑るが、重ねた時に雪崩がおきそうなものはやり直しさせる。やり直しの理由がよくわかっていない時も多い。

そのうち明らかに嫌々たたんでいる様子になってくるので、「めんどくさかったらやめてもいいよ。もともとママのお仕事やから」と言っても「お手伝いロボします!」と頑なになるばかり。しょうがないのでそれに付き合うことになる。

これを何年続けているだろう・・・。たしか最初にタオル系をたたむことを教えたのは保育園の年長さん頃だった。早々に諦めたが、機会あるごとにかれこれ15年くらいは教え続けている計算になる。我ながらすごい根気だと自画自賛したくなる。

「タオルたたんでくれる?」「はい!」「わー!ありがとう!早くたためたね!」「しまっておいて」「はい!」

なんていうやり取りが、いつかできると信じて今日も横に座ってタオルをたたむ。いつかきっと。たぶんできるようになる。



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