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人間関係もscrap&build

コロナ離婚とか、コロナ破局、コロナ結婚や、コロナっ子もできるのかもしれない。みんないろんな意味でいっぱいいっぱい。本当に。

今までだってゆるやかにそうだったのだけれど、こんなに急に、全体に、その場で答えろとのお題が与えられた。

「どう暮らす?」「どう生きる?」

こんなに本質的なお題をみーんなで大喜利って……けっこうたちが悪い。

夫婦でも肉親でも、同じテーマに全く同じ意見の人なんていない。だからみんな普段は外に出かけたり、別の趣味に走ったり、話さなかったり、ある人はときどき不倫なんかしたりして、距離をとってきた。だけど、近づきすぎると、それがしんどくなる。

この事態でより近くなったのは同居の家族だろう。それも良し悪しで、関係は、近ければ近いほどいいというものでもない。予防や生活に対する意見の不一致で対立することもあれば、団結することもある。

意見とかそういうレベルじゃなくて、平日夕方と土日だけ会っていた家族と1週間ずっと同じ空間にいれば、もっと卑近なことに気付いてしまう。妻が家でおならをするのをはじめて知ったり、夫がそっと誰かと連絡をとっているのを感づいてしまったり、子どもに接する態度が、自分の思っていたのと違ったり。

ほどよい距離感だから持続していた家庭に、近くなりすぎたからこそ依存やDVが起こったり、そこまで至らなくても、関係の限界が見えたりすることもある。もちろん、絆が深まることもある。その人とより近くなるか、離れるかどうかは別にして、今までの関係は壊れる。よくも悪くも。

単身者は単身者で、直接会っていた人と会わなくなり、みんな自分のことで必死で連絡もとらなくなったり、逆にオンラインで知り合った人とつながったり。

どちらにしても、この感染症は、仕事の仕組みだけじゃなく、人間関係も大きくシャッフルするはずだ。

今までの絆を大切にしたいなら、今は黙っていたり、そこにツッコまなかったり、そっとしておく方がいいと思う。それでも関係が途切れたり、連絡が取れなくなったら、それだけの縁だったのだ。

でも、縁は巡る。もし一つの扉が閉じたとしても、かならず別の扉が開くようになっている。今までの人との関係も、新しく出会う人とも、次の扉が開く。それを楽しみに待ちながら、この期間の自分のふるまいをていねいに、おずおずと選びたい。


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