恐怖!トキソプラズマ【2】

生肉を口にしないと心に決めたものの、これが以外と大変。

それまで焼肉やステーキをミディアムレアくらいで食べるのが常だったのに、焼肉に行っても神経質なほどお肉を鉄板から離さず、お肉が半分くらいに縮むまで焼き続けました。しかも、一口かじって中が少しでも赤ければ再び焼く徹底ぶり。外食の際は、イタリアンやフレンチは気にする料理が多く疲れてしまうので、和食や中華によく行くように。それでも、鶏肉など少しピンクがかっていると恐怖を感じて口をつけないほどでした。

そして大変だったのが家でご飯を作るとき。もやしもんのように(読んだことないけど)トキソプラズマがキッチンの至る所に見えるような気がして、料理中も気が気じゃありませんでした。冷蔵庫にお肉を入れたときに、どっかにトキソプラズマがついたかもしれない!と冷蔵庫を開けたら手を洗い、お肉を解凍したときについたトキソプラズマがそのまま生きているかもしれない!とレンジを触れば手を洗い。野菜を切っているときも、今の土にトキソプラズマがいたかもしれない!となにかを切る度にまな板と包丁を洗い・・・。ハンドソープの減りがハンパなかった!!

火にかけているときも、十分に火は通っただろうかとやたらと炒めまくって挙げ句の果てに焦げちゃったりと、時間がかかるわりに出来た料理のクオリティが低くて悲しくなりました。食べる段になっても、ちゃんと火通ってるよね?と少しずつかじって確かめたり。妊娠期間中ずっとこんな調子でトキソプラズマに怯え、食に対する精神的ストレスがすごかったのです。病院でも妊娠初期と中期の二回、トキソプラズマ検査をしてもらいました。二回とも結果は陰性だったものの、それで恐怖がキレイさっぱり取り除かれるほど私のネガティブ思考は易しいものではなく、妊娠中一番きつかったのはつわりよりもなによりも、トキソプラズマだったと言っても過言ではありません。

今となってはそのストレスのほうが赤ちゃんに良くないよね、と思うのですが、渦中にいるあいだはもしものときのほうが気になって気になって。もう一度妊娠したとしても同じように気にしてしまうんだろうなぁ。過剰なほどに神経質になっていた私の出産後の楽しみは、焼き加減を気にせずお肉を食べること!生ハムとチーズを食べること!!

退院してお家に帰ってきてから、生ハムとチーズを食し、トキソプラズマの恐怖から解き放たれたときの解放感ったらなかったです。

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