ネガティブなのは脳的に本能だから大丈夫だよ。~ネガティブ思考と付き合うたびに出た私のはなし~
「私は、私とはぐれるわけにはいかないから」
ポルノグラフィティの「サウダージ」を知ったのは、発売よりずっと後の話だけど、それよりずっと前に
「私以外の人は私と別れられるけど、私だけは私と別れられない!」と小学生時分に親に嘆き叫んだのは私です。まぎれもない実話。
自分で自分が、本当に嫌いだった。顔も性格も全部。
マイナス思考でネガティブ思考で、親はいろんな手を打ってくれた。「気にしすぎ」とか「前向きに考えよう」といろんな人が言った。でも、全然治らなかった。「治す」なのか「直す」なのか、いまだに変換に迷う。
今でも調子が悪い時は「めっちゃネガティブ」と言われることはある。が、実際、毎日100人以上の学生と接する仕事をしていて、だいたい「ポジティブだな!」と言われるし、仕事で接する人もだいたいそう言う。調子が悪くならなければ、なんて、大進歩だ。
「マイナス思考でネガティブで、自信がない、そんな自分に振り回されるのはめんどくさい!!!!!」
「だから、私は絶対、私で私をどうにかできるようにする!!!」
そこから、私の長い旅は始まって、本当にいろんな本を読んで、いろんな体験をして、随分、ネガティブな自分に優しくなったと思う。
「ネガティブな人は自分にばかりベクトルが向いている」というのは、本当によく見るワードだ。実際そういう面はある。
だけど、自分の中にとにかく解決したい課題があるから、ずっとそれについて考えてしまうんだと思う。
「こんな私は嫌だ」「どうしてこんな考え方しかできないんだろう」「ネガティブなの、やめたい」………そしてそれは、多くの場合、「どうしたら人に受け入れてもらえるんだろう」「私なんか、人から受け入れてもらえるわけがない」という思いにつながっていく。
「どうしたら、私はこの社会に受け入れてもらえるんだろう」と思いの根底には、
「私はこの社会に受け入れてもらえていない」という思いがある。
これは、その場にいる自分の安全性を脅かす思いだ。そりゃ自分にもベクトル向くよね。だって、自分の安全を守るのが自分の本能だから。
ここで外に目を向けられる、"前向きな"人は
・「じゃあ、この社会のどこなら自分は受け入れられるだろう?」
・「自分が活躍できる社会はどこだろう?」
・「自分が行動してこの社会を変えてやろう」
とか、「外に目が行く」んだけど、ネガティブな人は自分に理由を求めて、どんどんしんどくなっていく。まじめなだけなのにね。それで、最終的に自分の中でループに入って「もうやだむり」…と撃沈していく。
でも、そんなあなたに覚えていてほしいことが、1つある。それは、
「幸せ」の方が、ネガティブ思考や、マイナス思考よりも後に生まれた感情なんだよ、ってこと。
ちょっと人間の脳の話や歴史の話をするけど、ちゃんと返ってくるから聞いてほしい。
人間は狩猟で生きてきた。だから、「あそこから肉食獣出てくるかも(気をつけよう)」とか、「まだ起こっていない心配事」をして生き延びてきた。つまり、マイナス思考、ネガティブ思考は、生きるための戦略だった。
だけど、そこから人間は進化して、社会を形成して、いつの間にか携帯とかインターネットが身近になって、人の意見や考え方や生き方といった比較対象がこれでもかーーー!!!!と感じられる環境になった。
今の現代人が接する1日の情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の人の1年分と言われている。(余談だけど、これを聞く度私は、「江戸時代はさすがに身分によって知る情報量違うんだけど、どの身分の人?農民?商人?大名?」とか思ってしまう)
でも、人間の脳は20万年前とあんまりかわっていない、という説もある。少なくとも、
日本で狩猟が盛んだったであろう約1万6000年前の旧石器時代
と、
グローバルでインターネットでスマートフォンな令和時代の変化ほど、今の私たちの脳は大きく進化していない可能性は高い、
ということだ。
さて、歴史の話から、今の私たちの心の問題に返ってこよう。
社会で暮らすようになったから、急に肉食獣が飛び出してくる環境じゃなくなったから、私たちは「そんなに心配しなくても大丈夫♪」思考になっている。それだけだ。
食うか食われるか―というか、逃げるか食われるかの環境じゃなくなったから、幸せを感じて、幸せを求める余裕ができただけだ。
元々幸せを感じるのが第1目的なつくりなんかしてなかったんだよ、脳は。
生きることを第1の優先事項にする。それが、今も昔も脳の使命。
だから、ネガティブなのは本能だから、あなたのせいじゃない。
あなたは、そう考えてこなければ、これまできっと生きてこられなかった。自分の中に起こる不安と付き合ってこれなかった。
急にトラは飛び出してこなくても、飛び出してくるかもしれないものに構えていることで、ネガティブ思考でいることで、傷ついた自分もいたけど、守られた自分も確実にいた。
だけど、世の中は、結構平和になったから、だから、そんなにおびえなくても大丈夫だ。
思っている心配の8割は、基本的に起こらない。不安なら、2割分心の準備をしておけばいい。
もし、全方位的に心を警戒させないといけないところで過ごしているのなら、その環境からは、どうか逃げ出してほしい。
1つのことをぐるぐる考えてしまうのも、それは脳みその仕事だから。
脳みそってそういうものだから。
だから、不安でぐるぐる考え始めたら、
「考えるのストップ!!!」
って心で叫んで1回止めて、止めた自分を1回褒めておこう。
ネガティブ思考なのは、自分が生まれるよりずっとずーーっと前の、脳の生存戦略が、まだ抜けないだけ。
その癖がしんどいなら、その癖をちょっとずつ抜いていけばいいよ。
それだけは、自分を責めずに、覚えておいてほしい。
その戦略を選択しているのは、脳が「それがまだ有効だ」って、思ってるだけだから。
「もうその作戦やめるよ」って、ちょっとずつ作戦変更していけばいいよ。
繭がなにをしたかは、次のnoteで(がんばろう有言実行)
参考文献
脳科学者の苫米地英人さん。経歴が意味わからないくらいえげつない人だけど、この本は本当に「図鑑」になっていて読みやすい。
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