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苛烈な人は優しくて弱いのかも

優しい人が、「優しい人だね」と言ってもらえる姿であれるのは、ある意味幸せなことだと思う。


あるシーズンものの時代劇を見ていたとき、そのシーズンにおいて重要なキャラクターがいた。
悪を取り締まる役職に若くしてついたそのキャラクターは、その役職につくやいなや、それまで描かれた穏やかな性格から一変して、苛烈と思えるほどに情け容赦がなく、協調性がなくなった。独りよがりで、他者の発言に耳を傾けない。もちろん、時代柄、上司には逆らわないけれど、まぁいろいろ腹立たしかった。

「これがお前の本性かー!」と思っていたけど、ストーリーが進むにつれ、それだけの人物ではなくなっていった。

いつも誰かの様々な思惑で期待されている。本人はその期待に応えようと努力するあまり、から回ってしまう。彼に期待をかける対象は、ストーリー共に移り変わっていった。最初は上司で、そのあとは、権力者の姉に変わった。この姉とは生き別れている設定だ。彼は幼い頃、姉と生き別れて、養子に入っている。

多分彼は、本来弱くて、優しい人なんだな、と思った。
優しいがゆえに、求められる姿であろうとする。期待する姿に応えようとして、役割を全うしようとしたんだろうな、と。
「悪を取り締まる役職」を全うするために、強くあろうと、自分の正義感に全振り。


設定的には、きっと「誰かの期待にしっかり応えること」が生きる術だったんだろうなぁ、と思う。
命をつなぐ術だったからこそ、ゆとりもないし。
「大丈夫」と人に対して思えるのにも余力やゆとりがいる。それが彼にはなかった。あるわけない。運命握られてるんだから。

これは、ドラマだけの話じゃないな、と思う。

ずっと期待に応えなきゃ、と思っていると、他人基準で全力疾走しなきゃいけなくなる。
肩に力も入るし、とにかく早く結果を出さなきゃ!と思う。優しくて弱い自分で、とにかく必死だから、攻撃された日には苛烈に反応する。
だってアンテナをびんびんに立てているから。そりゃ過剰に反応して、防衛に出るよね。

優しくあるために、柔らかでいたい。
柔らかでいるために、力をつけたい。

優しくなりたい。(Cv.斉藤和義)


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