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死ぬまで自分の人生をランウェイするには、やっぱり自分を表現するために動くしかないんじゃない?

タイトルを見たとき、読まないという選択肢がなかったこの本。

「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」by kemio。


kemio、と言えば、今このnoteを読んでいる人はすぐにぴんとくるんだろうか?恥ずかしながら、私の手持ちのkemio情報は

・SNSではやっている人。多分服装派手。
・「あげみ~」「あげみざわ」ってトラジャの元太がよく言ってる。元太の好きな人。
・Viviに出てる人

 厳密には、Viviに出ているというか、連載を持っている人だった。最新号にはJO1と載っているのだけど、一緒に写っているから「…どれ?」となった。

 そんなkemioさん、なんとYouTube総再生回数約3億らしい。SNSの申し子kemioの「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」という語呂は、最近「死」についての本を読んでいる私にとってあまりにキャッチ―だった。

この本、「自己実現」と「メンタルしんどい」の両輪がすごく効いているので、このnoteでは「自己実現」sideからまとめてみようと思う。

1)どんな状況だって、チャレンジしなきゃ始まらないからやるしかない


ざっくり、kemioの半生を紹介しよう。

 事情があり祖父母を「両親」として育ったkemioは、「周りをHappyにしたい」という気持ちで生きてきた。

いわゆる「女の子が好きなもの」が好きで、人間関係がうまくいかず、男子に菌扱いされたり、女子からハブられて、「それいじめじゃない?」みたいなこともあった小学生時代を乗り越え、親友ナディヤはじめ、イツメンとの楽しい日々が始まり、レディー・ガガを知る中学時代を迎える。

成績が最悪過ぎて三者面談で「行ける高校がありません」と言われ祖母が泣き、当人は「高校行けないとバイトできない!」「ケータイ買えない!(当時kemio、PSP)」と奮起、祖母が金銭的に厳しい中塾に放り込み、もう勉強して都立の高校合格。

合格の喜びで祖母とともに号泣し、次の日顔がむくむぐらい泣いた高校では、「姫でーーす」と自己紹介するところからスタートして自分をさらけ出した。中学までで「オカマ」とか言われていたから、それに対する先制パンチのつもりだった。

それは功を奏して高1では最高の仲間ができ、楽しみつくして振り切れた結果、高2ではその仲間たちとクラスを離されたことで、クラスからはフェードアウト、Twitterなどで学校の外で世界とつながるようになる。

 中学時代から、オーディションを受けては落ち、受けては落ちしていた。でも、「バイトルのノリで」受けまくった。


次があるとか、いつかは引っかかるだろとかっていう思いで進んでいってたの。受からないともちろん落ち込むし、自信なくなるばっかりだったけど、必死で͡コテ買ったりしてキューティクル焼き殺しながら前髪伸ばして自分を改造してた。あのとき諦めて「自分なんか…」ってならなくて本当によかった。過去の自分にシャンパン開けちゃう。だって悩んでたってなにも進まないし、切り替えて進んでいくしかないなぁと思う。(略)夢見てるだけで次の日起きたらかなってましたなんてことは一生ないし、オーディション受けないなんて道、私にはなかったなぁ。

kemioはチャレンジングである。

雑誌「HR」に載りた過ぎて編集部にメッセージ送りまくってウザがられるも、Twitter発信によって別ルートで雑誌に載った。ブレイクし、事務所に所属して1度世間のブームから外れツイートするたびにフォロワーが減る、そんなとき、英語を学ぶために留学を決めた。

とにかくお金を作って、学校まで決めて、全部決めてから祖母に報告した。その場面の目次文(?)は痛快でクールだ。

英語できないでしょ?とかって止めてくるやつなんなの?てめぇ私の家賃払わねぇくせにって中指立てて行ってやったわ

家賃て!!!なにこの生活感!!

と、同時に、他人の意見に振り回されたって相手は自分の生活に対しなんの責任も負ってくれないことを絶妙に言い表したフレーズに「そうきたかー!」とにやけずにはいられなかった。この本には、そういう絶妙な言い回しが複数ある。ちょこちょこ中指立てがちなのは、海外のゴシップが好きな人っぽい。ものすごく偏見だけど。

だが、kemioが常に強気なだけかというと、そうではない。小学時代のことに先に触れたけど、結構人の顔色を見るタイプだったりする。それでも彼は言う。


なにかやる前ってね、絶対に不安なの。不安は必須アクセサリー。
私の広辞苑に才能って言葉はない。夢の理由は才能じゃなくて「やりたいから」でしょ?
そもそも撃つ玉が全部当たるなんてありえないし、「才能があるからやりたい」んじゃなくて、「やりたいからやりたい」。やる前ってやめどきじゃなくない?「ウチ才能ないから無理」ってあらかじめやめるんじゃなくて、やってみてもがいてでもこれ以上は無理ってわかったら諦めるの。ゲームオーバーは自分で決めたい。

そして、kemioは結構「脳をだまして」っという言葉を使う。

私は人の心理とか、脳とかに興味があっていろいろ読んでいるけど、本をあまり読まないkemio氏、経験上脳のクセをよーーく把握していらっしゃる。

2)脳と自分をコントロールして思い込んで夢をかなえろ


脳のクセについては、何にでも応用できるんだけど、人間関係について書かれたある部分が、なかでも1番わかりやすいと思うので引用する。

「嫌なことはちゃんと嫌って言ったほうがいい」なんて、いくら人に言われてもピンとこないよね。(略)昔は、人から頼まれたことを嫌でもやることで、好きな気持ちが伝わればいいなとか思ってた。でも、違う。
嫌って言えずに引き受けてしまって、結局ちゃんとできない結果になるほうが迷惑をかけてしまうこともある。そう思って、だんだん言うようになった。それで、「嫌って伝えても大丈夫なんだ」って思う体験を繰り返してやっと「NO」って言う大切さに気付けたの。
失敗して爆発したらしたで、人生の歴史追加~って感じで変わっていける。行動することでしか学べないんだよね、結局。そうやって、「なんだ!ぜんぜん大丈夫じゃん!」って(ABCDの結果になると思っていたのに最終的には)Zの結果を何回も体験しないと、脳って永遠に理解してくれないから、脳ってわりとメンヘラ。

脳をメンヘラ呼ばわりするkemio氏、クール!!ひゅー!

「できない」って思いそうな壁を発見しても、「行ける!」って信じてみたり、小さな成功体験を積み重ねて「できるでしょ?」って脳に思い込ませたり。

「できない」って思いこんでることも、やってみたら想像してたより簡単だったりするから、「できない」の殻を破る。

こうなりたいって性格の、演技をしてみる。「自分はこういう性格の人間だ」って思いこんで、脳をコントロールしようとしてみる。そんなチャレンジを試みている最中でございます。

自分の脳をコントロールして、夢をかなえている。


歌を出したときには、加工しまくってもらったことを本書で激白しているkemio。編集さんとの手に手をとりあっての本作。体言止めが多くて、テンポのいい話し言葉の文体で、まるで本当にkemioがその場で話しているようなこの文章。キャッチ―な言葉がすごく私のツボに入るんだけど、文体的には好みが分かれるかもしれない。

でも私は好き。

でも、自分に対して「基本的に人生に計画性がないから、ゴールなんて決まってない」「一生ジャンル不明」といいつつ、「絶対ぶれない軸は『人をハピネスにする仕事をしてたい』ってこと」と言いきり、「ほかのだれでもない、私は将来kemioになりたい!」と言う彼。

失敗しても失敗しても、いろんなことにチャレンジして、「違うな」と思ったらやめて、目の前のことに取り組んで。結構生きづらい中で自己実現をしている人だな、と思う


「え?よくわかんない人でしょ?」とか思う人もきっといるだろうし、それこそクラスにkemioいても、飲み会の席にkemioいても、よほどのきっかけがないときっと私友達にはなれないだろうなって思うけど、


なにかの折にこうやって頭の中話したら、実は結構仲良くなれるとこあるのかもって、ちょっと思えるから、


「めっちゃやってきたんだね…すごいねkemio!私も頑張ってみるわ!」ってkemioと乾杯できそうな気がするし、

「いや、あんたなんてまだまだだから一緒にシナイデー」とか言われそうな気もするくらい


すごく前向きになれるから、挑戦ためらったり、迷ったりしてる人に、ぜひおすすめ。

最後に、前向きになれるなー!ってキャッチ―なkemioの言葉を2つ置いておきます。


あんなに便利なAmazonだって不安を消す薬なんて打ってない。自分で脳をあやつって、不安じゃなくするしかないの。


そりゃさー毎日生きてたらいろんなことあるしそんな人生ストンストンって絵に描いたようにうまくいくわけないからさ落ち込むことも失敗することもある

だけどねNobody is perfectだよってハンナ・モンタナが教えてくれたんだ



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