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GOOD WAR TOUR 4. 来週のジャンプを待って

デュワッ!

残さんが、ゆうれいがいなくなったことの意味を考えなければならない。
ゆうれいがいないというのはどういうことなのか。
成仏した/未練がない/忘れられてしまった
塩を撒く/撒かれてしまった?

「戦後」というのは、戦争のゆうれいのいる時間のようなものなのではないかと考える。
ひめゆり平和祈念資料館リニューアルのテーマ「戦争からさらに遠くなった世代へ」を思い出す。

伊奈さん、ものすごい荷物を抱えて稽古場に登場。
伊奈さんがフロアタムをカクテルドラムに改造したものを稽古場に持ってきてくれた。
自転車で一人でぜんぶ持ち運べるように、らしい。かっこいい。
朗くん、綾子さん、諸江さん、私、見て、「すごい」「すごい」「すごい」「すごい」と順番に声をあげる。すごいしか言えない。
中央に設置してみると、コンパクトで「かわいい」「かわいい」。スヌーピーに座っていて欲しい。

伊奈さん、赤を差し色にした人生。リュックサック、ドラムいす。

シンバルを鳴らすと、懐かしい音。記憶が蘇る。知っている音だ!
府立文芸のホール、一番後ろで伊奈さんがドラムを叩く姿が頭の中に浮かんだ。
久しぶりにあのドラムの音を聞くと、おどろおどろしくて、ちょっと怖い。
恐れを感じる。

稽古中、諸江さんはお尻をしたたかに打ちつけ、「腫れてる……」とのこと。
綾子さんが触って「確かに硬くなってる!」「そこじゃない」。
事務所に電話して、湿布をもらいました。

台本が終わりに近づいていて、「これで終われるかな?」と朗くん。
なんだかちょっと足りない気がするよね。「でもここを経ないと本当のラストに辿り着けない。」
さいご、どんな景色が見られたらいいだろう。沖縄で見た海を思い出した。
でも、自分の持っている武器で戦ってゆく、というのは前向きでとてもいいと思います。
私たちはやっぱり、自分の持ってる武器で、くふうして生きていくべきだと私は思っているのでしょう。
バトルロワイヤルの、最初に一つ与えられる武器を思う。

「来週のジャンプを待ちたいよね」と朗くん。
縞目の麻の着物ですね。

沖縄に行ったからか、ゆだんしているのか、戦争の話をしている気になってくる。
私は私の戦いについて考えておかないと。

あかりをつけること、消すこと。
自分の意志でそれができることはとても幸せ。
私は自分で電気を点けて、自分で電気を消して生きてゆきたい。
ドアを閉めるのも名前消すのも自分ひとりでがいい。

諸江さんはだんだんお尻が痛くなってきて、だんだん歩くことも困難に。大事故。
公演中にきく保険はあるけれど稽古場に保険は効かない、という話をする。

自転車にまたがることができず、諸江さんはタクシーを拾って帰られました。
「なんか思ったよりたいへんなことになっちゃったな感」がにわかに広がる。
とにかく諸江さん、お大事に。

「水」という言葉に切実さを感じるのはなぜなんだろう。
人はさいご、水がないと生きていけないからかな。
それを求める状態について、知っているような、知らないような、


稽古6回目
日時:2021年12月14日(火)
出席:河井、伊奈、諸江、渡辺、藤井、田中
場所:京都芸術センター 制作室8


本作は2021年2月に京都で上演された『GOOD WAR』のリクリエイションを行い、大阪と東京で公演を実施します。

『GOOD WAR』は、私たちが「あの日」と聞いて想像する争いと日常で構成されています。
私たちは生きている限り、これからも誰かと戦い続けなければいけません。現時点で戦っていなくても、生きている限りいつか争いに巻き込まれます。『GOOD WAR』ではいずれ来る「その日」と、過去にあった「あの日」との向き合い方を鑑賞者と共に考えるべく、だれかの「あの日」で集積された記憶のモニュメントとして演劇作品を立ち上げます。

GOOD WAR

原案 『よい戦争』(作:スタッズ・ターケル 訳:中山容 他 1985年7月25日出版:晶文社)
構成・演出 河井朗
ドラマトゥルク 蒼乃まを、田中愛美
出演 伊奈昌宏、諸江翔大朗、渡辺綾子
美術 辻梨絵子
音響 おにぎり海人、河合宣彦
照明 松田桂一
制作 金井美希
制作協力 (同)尾崎商店、黒澤健
衣装協力 MILOU
記録 田中愛美

日時・会場
2021年12月25日(土)〜12月26日(日)|こまばアゴラ劇場
2022年1月26日(水)〜1月30日(日)|クリエイティブセンター大阪 Drafting room(名村造船所跡地)
2022年2月10日(木)〜2月15日(火)|北千住BUoY


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