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息を吸う、そして吐く。
「息を吸う、そして吐く。」
目的地は確実に存在していた。
それに向かって足を進めていた、つもりだったのかもしれない。
いつからか足取りが重くなって、
行き先であるはずのゴールが輝きを失った。
「はあ、、、」
ため息をつけば何かが消化される気がした。
だから息を吐いた。
身体の中に溜まっている空気が全て抜け出るように、
肺の奥底から思いっきり吐き出した。
そうすれば空っぽになれる気がしていた。
空を見上げて、深呼吸をする。
雲ひとつない快晴の空に見下ろされていた、そんな日だった。
きっと誰かがこの世界を上から見下ろしていて、
私たちを操っているのだと思った。
私たちが存在しているこの空間も、
もしかしたら、ただの一つの空間(部屋)に過ぎないのかもしれない。
実は私たちがAIやロボットで、
誰かにとってのアバター(駒)なのかもしれない。
まあでも、それも一理ある話なのだ。
”嘘” とも言い切れないのではないだろうか。
考え出したらキリがない、とふとした瞬間に気付き、
考えることを放棄した。
空っぽになることを知らない頭の中と肺の中。
頭の中では常に何かが絡み合ってはぐるぐると回っていた。
そしてまた深呼吸をした。
息を吸っても吐いても、鼓動の速さは早まる一方だった。
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