【SS】忍者なりのもてなし

　突然、私に果たし状が届いたので、記載されていた場所に行ってみる事にした。
　完全に日本の城の家だった。戸を開けると、床に撒まき菱びしが転がっていた。
　踏まないように慎重に歩き、中に入ると、床が抜け、真っ逆さまに落ちた。
　下は水だったので無事だったが、今度はワニに食べられそうになった。
　水面でバタバタ動かしながらロープを見つけて捕まり、よじ登るが、至る所から矢が飛んできた。ターザンみたいに避けながら登ると天守に着いた。
　そこには忍者がいた。彼は私を見ると、ウムと頷いた。
「さすが拙者が惚れたおなごでござる。生きて天守まで来たのはお主が初めてだ」
　忍者はそう言うと、巻き物を渡してきた。
「拙者と共にお殿様を守ろうぞ」
　私はハァと溜め息をついた。
「まだ未成年なんだけど」
　このカミングアウトが功を奏したのか、忍者は丁重に私を入り口まで帰してくれた。
　そして、口止めとして千両を貰った。

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