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カナダでのカルチャーショック②

カナダにやって来てのカルチャーショックは色々とある。前回は思いつくまま書いてみたが、今回はポジティブサイドに絞ってまとめてみたい。

前回のnoteはこちらです。

どこでも踊る

私は、トロントという都市に住んでいる。初上陸の2日目、市内観光の為に街に出た。

銀行口座開設を含めた市内案内サービスを受けるべく、エージェントの女性&見習いだという男性と待ち合わせ。

その日は日曜日だったのだが、市内を走る地下鉄のある区間が止まる、という事だった。

人身事故?信号トラブル?とお思いだろうか、そうではない。トロントの地下鉄は土日によく、線路検査や修理などを行なうのである。

終電後の深夜にも作業は行われるらしいが、大規模な通行止め、大抵6駅間ほどがほぼ毎週、週末にある。

(思えばこれも結構なカルチャーショックかもしれない。カナダ1の大都市として考えると、そりゃお前さんないよ、とか思っちゃう。でもこれは労働者の為なんだと思う。)

その際、駅から駅までシャトルバスが運行されるので、特に問題はない。

シャトルバスに乗ると無料の観光バスのようで楽しいので、私は結構好きだ。いや、繁華街での運行は渋滞もあったりするので、時間厳守の約束がない限りは‥好きだ。

その日、最寄駅で2人と待ち合わせし、シャトルバスと地下鉄を乗り継ぎ街へ出た。

繁華街に着くと、ストリートパフォーマンスをする人が目に付き、「これが北米のストリート!」と完璧に田舎者丸出しで感動した。

その後、銀行の手続きを終え、地下鉄に戻った。地下鉄のホームでふと気付く。

ホームで踊っている人がいる。

パフォーマンス、ではない。

踊りたいから踊っている。

こうした人々は大抵、イヤホンやヘッドホンを利用し音楽を聴いていて

1人でも踊る。

この話を兄にした時、彼が教えてくれたのが、

故・内田裕也氏は「曲を聴いた時に体が自動的に動かないのはロックじゃない」とおっしゃっていたそう。

(今、この話が本当なのか、調べてみたがどこにも見つからなかったので、兄の空覚えかもしれない‥恐れ入りますが、お詳しい方がいらっしゃいましたらお教えください。)

とにかく、この、「音楽を聴いたら踊り出したくなっちゃう衝動」をみんな大切にして生きている。

ストリートパフォーマンスを観ている観客も踊る。

踊りたい衝動を隠したり、抑えたりしないんです。すごい。

この話をトロントの人に話すと、大抵「いやいや、話盛り過ぎでしょ。」とか

あー、それはハイなんじゃない?」(カナダは大麻が合法化されている)なんて言われるんですが

そういう友人に限って、お洋服屋さんなんかで音楽が流れていると‥ハイ、ほら来た、地味ぃに踊っているではありませんか。

それ、その動き、日本ではもう踊ってるの領域ですよ!と、私の中の自粛警察ならぬ、踊り見逃さない警察の血が騒ぐ。

そして、勘の良いそこのあなた。正解です。踊るだけ、と見せかけて

みんな、歌いもします!

スーパーで働いている人は音楽に合わせて歌いながら品出ししているし、

カジュアルなレストランやバーなんかでは歌いながらドリンクを持って来てくれたり、

Thrift storeと呼ばれる、いわゆるリサイクルショップなんかではラジオから流れてる音楽に合わせて

店内にいるお客も店員も

大合唱

そう、呟く様に歌う、なんかではないんです。

無料のカラオケです。(ちなみにKaraoke、北米では、ケリオゥキィって発音します。違和感がすごい‥ケリオゥキィってなんやねん。keh・ree・ow・kee)

こんだけネタにしといてなんですが、かく言う私も歌って踊ります。

パートナーは公衆で歌わないし踊らないので、嫌がりますが、そこはね、ロックでしょ!と私の血が騒ぎます。(私の血、騒ぎ過ぎ)

自由でいいですよね。私は好きです。

フレンドリーなホームレスな人々

はい、そのままです。ホームレスの人々が基本とてもフレンドリーです。

カナダでもホームレスの人々の存在は大きな社会問題の一つであり、

若年化が進んでいるなど日々、議論が繰り返されています。

シェルター支援施設等の他に、教会等が食事などを支給したり、フードバンクと呼ばれる寄付活動も日常的に行われています。

さて、街で見かける彼らはとてもプロダクティブ。

例えば、カナダのドトール?ミスド?である

Tim Hortons というコーヒー屋さんのドア付近に、彼らは立ち
店内に入るお客さんのためにドアを開けてくれる。

ドアマン、といった所。

「Thanks」と言って店内に入ろうとすると「No problem」とニッコリ。

店内で用事を済ませて店を出ようとすると、さっきの彼が片手に紙コップを差し出しドアを開けてくれる。

「Change, please」お釣り余ってたりする?という流れである。

私は現金をほぼ使わないし、そうしたお金が酒やドラッグに使われてしまう恐れもあるので、お金を渡した事はない。

もっと言うと、お金は渡さない主義である。

「ごめんなさい、細かいのないの」と話すと、それでいい。

「Okay, have a good day!」なんて言ってくれる人もいる。申し訳なさも吹っ飛ぶ。

路上や地下鉄内なんかでも、同じ様に声を掛けられるが「sorry」と一言返すと、それでいい。

私の友人は路上に座ってる人に対し、「お腹空いてる?」と聞き、サンドイッチなんかを買ってあげたりする。そして世間話をしたりする。

とても自然である。

お互い言葉のやり取りから始まるので、心地が良いものだ。

トロントの市民は彼らに、お金を渡す事は少ないが(これは人による。宗教の影響も大きいと思う)食糧を恵んであげる傾向が高いように感じる。

そう、実は酒やドラッグだけではなく、もう一つの問題もあるからだ。

たまに、路上に通勤している人もいる。我々はそういう人々にシビアである。

有名な話がある。

少し前に、Shaky ladyと呼ばれた女性がいたそう。毎日、繁華街の路上で、見すぼらしい服を纏い、震える手でお金を求めていたその女性。実は高級車で、その路上に通勤、豪邸に住んでいたそう。

今はその悪評が故に、郊外に引っ越して行ったとのこと。

あ、すいません、ポジティブな話題のはずが‥

Sorryと言ったらカナダ人

アメリカでは、その様に言われているとのこと。私は、それ正解!だと思っています。

基本的に、親切で礼儀正しいカナダの国民性。それについてはこちらでも触れているので良かったら。

とにかく、思いやりが深い、という印象です。助け合いの精神‥というより、甘え上手な一面も見逃せません。

雪はあまり積もらないトロントですが、冬の間は基本的に銀世界。路上が凍る事も多々あります。

バスに乗る為にバス停で待っていると、降車するお年寄りが(私が声を掛けるより前に)

「ちょっとそこのあなた、もうちょっと前に来て、そう、(手を差し出す)あぁ、助かる、もうこの時期滑るの怖くてね、ありがとね、あ、もうここで大丈夫、助かった!ありがと、バーイ」みたいな感じで気軽に助けを求めて来ます。

基本的に「何か手伝って欲しいことはある?」「大丈夫?」など、周りの人が手を差し出す事が殆どですが、

手伝って欲しい時は、「こんな事に困ってるから、こうして欲しい」と具体的にアピールする力をみんな持っています。

こんな所も、この街は住みやすいな、と思う一つです。

‥カルチャーショックの話題のはずが、トロントへの愛がダダ漏れてしまった!

おいでやす、トロント。

いや、違うな。住みやすいです、トロント。

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