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怖い話

56
怖い話の短編集です。
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#小説

『父の電話』

真夜中にスマホが鳴った。 父からだった。 電話に出ると、砂嵐のようなノイズが聞こえるだけで…

真山おーすけ
4か月前
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同居人

「大好きな先輩とデートする事になったから、そのための服を揃えたいの。だから付き合って!」…

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一階の女子トイレの噂

その日、委員会の話し合いが遅くまで続き、書記だった私は最後まで残って仕事をしていた。 そ…

4

尋ね人

その日、面白いゲームがあるからと友達のカイトに誘われ家に遊びに行った。 外はじめじめとし…

3

桜並木

あれは三月の終わり頃。 海外出張を終えた私は、一ヶ月ぶりに地元に帰って来た。 日差しは暖…

2

呪われた桜

冬の終わりに蕾が生まれ、春には薄いピンク色の小さな花を咲かせ、夏には青々とした葉に覆われ…

入浴中の侵入者

私は休みの日になると、薄暗くした浴室の中でお風呂に浸かりながら、飯を食べたりスナックをつまんだりしながらスマホで動画を見るのが好きだった。 それは大学生の頃の話。 前日、これから長風呂を楽しもうと服を脱いだところでバイト先の店長から電話があり、急遽ピンチヒッターを頼まれた。 その日は大雨も降っていて行きたくなかったが、仲のいい先輩の急病とお手当をくれるというので引き受けた。 先輩に心配のメッセージを送ると、既読はついたものの返事はなかった。 相当体調が悪いのだと思った私は、

生垣の小道

近所にあるお寺に向かう坂の途中にブロック塀に囲まれた家々が並んでいたが、その中に一軒だけ…

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34号室(仮)

私が大学生の時、男女六人で飲み会という名の合コンをすることになった。 日頃、友人のアイと…

2

バレンタイン

私にはユウスケという幼馴染の男の子がいた。 幼い頃は私よりも背が小さくて、泣き虫で、弱虫…

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トイレ小屋

実家のトイレが母屋の外にあった頃、子供だった私は夜一人でトイレに行くのが本当に怖かった。…

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喪服の女

その日は仕事が忙しく、会社を出た時には終電間近という時間でした。 足早に駅に向かうと、構…

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フェンスの向こう

数年前、私は有給を使い高校時代からの友人であるカンナとマユと三人で旅行に行きました。 東…

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201号室

妹が専門学校への入学を機に、一人暮らしをする事になった。 大人しくて気が弱い妹。 しかも、周りからは甘やかされて育った妹を両親は心配して反対をしていたが、学校までの距離を考えると仕方なく、何より妹の意思が固かった。 そこで、両親は条件をつけた。 それは兄である俺が何かあった時にすぐに駆けつけられる距離に住むこと。 妹はそれを承諾し、どうやら一人で物件を探してきたようだった。 そしてその週末、俺は妹の引越しを手伝うことになった。 そこは俺が暮らす街から電車で三つほどの閑静な住