見出し画像

〖作詞〗『マシュマロ』

『マシュマロ』
作詞 : S0U

ある夏の公園で 楽しく遊ぶ
絵に書いたような 親と子供
僕はベンチに 座りながら
近くで 本を読んでいた

疲れたのか おやつを欲しがる 女の子
マシュマロを見た 瞬間の
宝石みたいな 綺麗な瞳

瞳が濁り 光を失う瞬間は
長く生きれば きっとある
じゃあ光は 月日が過ぎれば 無くなるだけで
先の生では 得られないのか
昼下がり 眩しい世界で 少し思った


その夏の公園で おやつを頬張る
幸せそうな 女の子
ベンチの僕を 見つけたようで
マシュマロ1つ 手にくれた

「ありがとう」 感謝の言葉に
笑顔になって 一目散に ママの所へ
大人の顔に 会釈を返し 本に戻る

次の瞬間 「何やってるの」と
怒号が聞こえ 少し驚き 前を見る
マシュマロを 地面に捨てて
怒られている 女の子
ビー玉みたいな 丸い涙を
こぼさぬように 堪える瞳

「もったいない」とか
「はしたない」とか 言葉が聞こえ
遂に流れる その涙
僕に逃げ込む 女の子
「どうしてマシュマロ 捨てたの?」と
興味本位で 聞いてみた


「アリさんが お腹空いてると 思ったの。」
世界で1番純粋で 今の僕には言えない言葉

お金とか 世間体とか 大切だけど
それらを 優先しすぎた結果
なくした光が そこにはあった

ある夏の公園で 笑って泣いた女の子は
瞳の濁った こんな僕に
1つの白い マシュマロと
得られぬはずの 無くした光
手の上にそっと 置いてくれた

笑顔に戻った 女の子
ママと手を 繋ぎながら
去り行く際に こっちを向いて
残った右手で 手を振った

─────────────────────

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?