ほんとうに必要なもの
ちょっと思ったことを。
パリに戻ってきて1ヶ月が経ちました。
パリがバカンスシーズンの真っ只中に渡仏してしまったため、私自身もゆったりと時間が流れた1ヶ月でした。
もともと、2年前にパリに半年ほど住んでいたこともあり、パリの街には慣れていたし、
フランスの食や生活の感覚も思い出すのにそう時間はかかりませんでした。
私が今住んでいるアパートの前には、2つの大きなスーパーがあります。
1つは、普通のフランスのスーパーで、
もう1つはアジアンのものを多く取り扱うスーパー。
フランスのスーパーは平日・土曜は19:30に閉まるし、日曜は午前中しか空いていません。
アジアスーパーも平日・土曜は19:15までで、日曜はお休みです。
まぁそんな営業時間はフランスでは当たり前のことで、
パリ中心の方だともう少し長い営業時間だったり日曜もやってるところもありますが、その方が珍しく、
基本的に、夜遅くや日曜に買い物をすることは諦めています。
しかし、それで困ったことはほとんどありません。
最初から閉店してるとわかっていれば、事前に買い物をすればいいだけの話なので。
スーパーだけではありません。
電車の本数もバカンスシーズンは急激に減りました。
バカンス関係なく、工事だったりストライキだったり、誰かが忘れ物しただけで不審物扱い(テロ対策)として閉鎖されるなんてことも。
みんな文句を言いつつも、慣れたことであるため、「仕方ないかー」で終わります。
案外人間って、ないものはないものとして仕方なく受け入れて生きていけるものなのです。
フランスに住んだことのある人はみんな思ってることで、よくツイッターでも意見を見ますが、
海外にいると、日本は本当に必要以上のものが溢れてるなぁと感じます。
24時間営業のスーパーやコンビニ、
確かに夜中でも明かりが多ければ安心、ということもわかります。
仕事が終わるのがいつも遅いから、遅くまで営業してくれてると有難いというのも、本当に本当に、よくわかります。
毎日終電まで仕事していたこともあるので。
日本の社会が、そういう状況を作ってしまっているということも理解はしていて、それを今更どうこうした方がいいとは思っていません。
ただ、単純に、「〝便利さ〟はなくても生きていけるものってたくさんあるな」と感じ、
「〝便利さ〟の恩恵を受けことを当たり前に感じすぎていることによって、逆に心の余裕がなくなってることってあるんじゃないのかな?」
と思って、今の気持ちを残しておきたくて、
なんとなくnoteを書きたくなったのです。
そんな考えは前回の滞在中もずっと思っていたことなのですが、
最近は更に〝ことば〟もそうだなと感じるようになってきました。
最近、フランス人の友達ができました。
日本語をカタコトで話す人です。
私もフランス語はカタコトです。
ゆっくりわかりやすく話してもらえれば、単語の半分はわかって、あとは文脈や雰囲気で理解する程度、自分から話すのはめちゃくちゃ苦手です。
友達はまだ日本語を勉強して1年くらいで、主要な単語を知っているレベル、
練習で日本語を話そうとしてくれますが、ほとんどフランス語で会話し合い、スマホや辞書が必須です。
それでも、私たちはコミュニケーションをとっています。
そこには、お互いが「理解し合いたい」という強い気持ちがあるからこそ、成り立つ関係だなと感じています。
そして、その〝気持ち〟があるだけで、一緒にいることができる。
〝ことば〟なんて全て使えなくても、大したことではないと感じるのです。
〝ことば〟はとても便利だけど、便利すぎて邪魔になることもたくさんあると思います。
状況にもよりますが、私はもともと、「察してほしい」ばかりで気持ちが伝わらないことにイライラしてる人に対しては批判的で、
人間100%同じ人なんていないのだから、「察してほしい」だけじゃ圧倒的に伝わらないことの方が多い、なら意地を張らず、変なプライドを持たず、きちんと言葉で伝えることが大切だ、という考えを持ってきました。
話し合うことで解決できるなら、時間も無駄にはならないと。
その考えが変わったわけではありませんが、
現実、言語が通じないことによって、〝ことば〟以外のものでなにかコミュニケーションをとろうとし、
結果的に〝ことば〟をただ羅列するだけよりも相手のことを深く理解しようとする気持ちが強くなったり、
表情や仕草を細かく見てそこから相手の人柄や伝えたいことを汲み取ったりして、
お互い有意義な時間を過ごせていることに、突如、ハッとしたのです。
〝ことば〟を使うことに必死だったり、
〝ことば〟があることに頼りすぎたり、
〝ことば〟に囚われすぎて、見えてなかったことってたくさんあるんじゃないかと思いました。
とはいえ、やはり言いたいことが言えない時とか、どうしてもちゃんと伝えたい時に言語が喋れないのは辛いなと感じるし、
実際仕事をするとなると言語は必須なので、もう少し勉強は必要なのですが。笑
本当に必要なものって案外少ないもので、
本当に必要なものだけを残したら、見えないものが見えて、心のゆとりも少しできるのかなと
ふわ〜っと思った夜でした。
2019.9.4. まや
いつもありがとうございます! サポートいただけたら、仕事ではなく、ただ好きなこととして、自由にデザインした個人的な作品ドレスを作るための材料費の一部に当てさせていただきたいと思っております。