めったに会わない大叔母からの温かい言葉
辛くなったときに自分を鼓舞したり、労るための情景、エピソードはひとそれぞれにあると思う。
私の場合は大叔母からの言葉。
普段めったに会わないのだが、言葉を交わすと人生のキーポイントになる名言が繰り出される。
大学を卒業し、いよいよ就職という時期。
大叔母から卒業祝いが届いた。
めったに会わないのに。
お礼に、焼き菓子の詰め合わせを送り、(近所の個人経営の洋菓子屋さん。どれもこれも温かみがあって、美味しい。)電話をした。
お礼なんていいのに、と遠慮がちに言う大叔母。そして、これから社会の荒波に出る私にひとこと。
「もう、頑張らなくていいんだからね。ニコニコ笑って、可愛くいてください。」
「これから社会人!頑張れ!負けないで!」とか「若いんだから苦労は買うぐらいで丁度いい!」と言われるものだと無意識に構えていた私は拍子抜けした。
実は大学でゼミの教授と上手くコミュニケーションが取れないことに悩み、何なら鬱にまでなり、割とボロボロの状況で就活して得た内定先が果たして正解だったのか怪しい…という前にも後ろにも光が見えないまま、なんとか卒論を書き上げての卒業だった。
大叔母は、何も知らない。
何も知らないのに、欲しい言葉をくれたことに驚きと温かい気持ちでいっぱいになり、電話を切ってからひとりで泣いた。
そして社会人になって数年経った頃、私は風邪を引き会社を数日休んでいた。そんなときに大叔母からの電話。鼻声でどんよりしている私に、
「自分が辛いって分かっていれば休んでいいんだからね。他人が分かってくれなくても、自分が分かっていればいいのよ。」
会社を休むことに罪悪感と不甲斐なさを感じていたのでこれには大いに助けられた。
毎日働くことが当たり前、頑張ることが当たり前。それはいつしか休む事への罪悪感に変わっていたことに気がついた。
この2つの言葉が私に、「自分で自分を大切にしなくちゃ。」という割と当たり前なのだが本当に大切なことを教えてくれた。今でも自分の人生の布石になっている。
会っていなくても、たくさん喋っていなくても、心が通じることってあるのだなぁという体験だった。
みなさんは誰かの言葉で救われたり、心がホッとしたこと、ありますか。
よかったらどんなときに、どんな言葉をもらって嬉しかったか、安心したか、教えてくださいね。
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