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アニメ好きが映画『ハケンアニメ!』を観た

毎クール最低でも3本以上はアニメを観ているアニメが好きな僕が、映画『ハケンアニメ!』を観た。

完全にタイトルに惹かれた。まさにアニメ制作の裏側が知れそうなタイトルに「ほほう!」と興味をひかれたのだ。

感想を3つあげると「放送枠ってやっぱり関係あるのね」「仕事って妥協の連続」「劇中のアニメの出来に感動した」。順に語っていきたい。

放送枠ってやっぱり関係あるのね

劇中でもいわれていた、「土曜の夕方5時に死なせられるわけがないだろ!」という放送枠問題について。

週末の夕方という時間帯は、思ってる以上にターゲット層が明確らしい。子どもたちが観やすい時間だから、当然っちゃ当然だろう。

実際に放送された作品で考えてみる。たとえば「日5」の時間で『水星の魔女』、今期だと『シャングリラ・フロンティア』が放送中だ。

水星の魔女はさんざんバッドエンドも予想できるような展開ながら円満におわったし、シャンフロもゲームの世界が舞台で実質人が死ぬことはない。

アニメ放送枠によってメインの視聴者に内容や放送作品自体を合わせるという、大人の事情的なことが少なからず関わってると推察する。

逆に深夜帯ならわりと融通がききそうだ。って考えると、土日の夕方はより制作においていろいろ気をつかいそう。

今まであんまり放送枠を気にしてなかったから、まさに裏側だった。

仕事って妥協の連続

自分がこうしたいって思うことができない。すべてが思い通りになるわけがない。これが仕事の現実だ。

斎藤らが作った『サウンドバック』は最後、王子が監督の『リデルライト』におしくも視聴率で負ける。

斎藤は信念を曲げず、ギリギリのところでアニメのラストを変える。自分の「こうしたい」を貫いたパターンといえる。

対して王子は、ヒロインを死なせたいという自分の本当にやりたいことを妥協したパターンだ。

両者がやったことはまったく反対であり、斎藤は覇権をとれず、妥協した王子が覇権をとるというリアルな結末だった。

だけど、『サウンドバック』は円盤売上1位を獲得する描写がエンディング後に描写される。

円盤まで買う人って、めちゃくちゃ作品のことが好きだ。大ファンと呼べるレベルだと思う。その人の心に深く刺さったんだろう。

斎藤の隣にすんでいる太陽くんが、アニメがきっかけで友達ができたように。だれかに刺さることを願った斎藤の『サウンドバック』は、たしかにだれかに刺さっていた。

斎藤は覇権をとれなかったけど、刺さる作品を作ることには大成功してる。リアルの厳しさだけじゃなくて、希望も見せてるのがいいなって思った。

劇中のアニメの出来に感動した

劇中で登場するアニメ『サウンドバック』『リデルライト』のクオリティが高くて感動した。

声優さんもリアルで活躍してる方を起用するこだわりよう。『ハケンアニメ!』はアニメ好きこそ気になるだろうという、ストーリーのおまけと扱わないような手抜かりない出来だった。

実写とアニメーションを同じ画面でうつす手法も、アニメがテーマの実写映画ならではの見せ方だ。

アニメの初回が放送されたあと、観客の反応はどんなだろう……という斎藤と気持ちを共有するような演出もすごくよかった。

風呂は命の洗濯ですなぁ……

アニメ好きはもちろん、とくにアニメが好きってわけじゃなくても仕事について考えさせられるだろうし、鑑賞後は心がほっこりするすごくいい作品だと思った。

エヴァのオマージュがところどころで出てくるのがおもしろかった。ゼーレ会議は笑ってしまうって。

これからアニメ作品に対してもっとリスペクトを持ちたいと思う。たくさんの人たちのお仕事で、アニメは成り立っている!

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