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本を作り、出会うこと。と、通販開始。

熱気、熱気、熱気。今朝の気温などなんのその、会場は人の熱気に包まれていた。「溺れる猫と針の生えた鼠」として、いよいよ果たした文学フリマ初出店。暑さで澱んだ空気にすら、私は言いようのない高揚感を覚えていた。

隣には文フリ経験者のカナ猫さんがいてくれるので心強い。2ブース分の長机をゆったりと使い、主にカナ猫さんの持参してくれたかわいいアイテムを飾ると、みるみるうちに私たちのお店が完成していった。

ねこ、はりねずみ!!なお店。

私たちのブースは入口から遠いので最初こそ落ち着かずきょろきょろしていたものの、一人目のお客さんが買ってくれてからは、割とひっきりなしに人通りがあった。2年前文フリ広島に来たときは、人がいない時間はもっと閑散としていた気がするけれど、今回は常に人が行き交っていた印象。全体的には混みすぎず寂しすぎずでちょうどよかったと思う。

私はお昼ごはんを買いに走るタイミングも他のブースを訪問するタイミングも逃しまくり、結局お昼はパンを3口ほどしか食べられなかった。けれど緊張と興奮でお腹もあまり空かなかったので、まあ問題はなし。

おかげで、初出店にしてはかなり満足できる売れ行きだったと思う。私の本4冊は、見事に満遍なく売れていった。

掌編小説「少女よ、星になれ」…11冊
食べものエッセイ集「せいかつしていくために」…8冊
社会人1年目エッセイ集「初心者講習はありますか?」…8冊
恋愛短編集「あっち向いててね。」…5冊

数え忘れがあるかもしれないけど、
なんと小説とエッセイは同数に。

掌編・短編小説カテゴリのブースだったのもあり、冊数で言えば掌編小説「少女よ〜」が最も売れた。当日思いついたキャッチフレーズが功を奏したのかもしれないし、50ページ弱で300円という手軽さもよかったのかもしれない。

そしてエッセイ集も案外手に取ってもらえた。小説のついで、またはエッセイのついでにどちらかを買ってもらえるパターンがかなり多かった。おそらくエッセイカテゴリで店を出していたら、凡庸かつ芸もない私のエッセイは埋もれていたことだろう。

ところが中には、4冊全部買ってくれた人もいたので驚くやら戸惑うやら喜ぶやら。思わず聞き返し、ええっ!とでっかい声を発してしまった。それからしばらく私の脳内はお祭り状態。本当に嬉しい。なんだか、私の存在そのものを認めてもらえたみたいじゃないですか(自意識過剰)

他にも「Twitterで見つけて、これは絶対に買わなきゃと思ってたんです!」と目を輝かせながら来てくれた人、見本誌コーナー(文フリには、各ブースの見本をずらりと眺めることができるコーナーがある)から真っすぐやってきて「これください!」と風のように買っていってくれた人……どのお客さんも印象的で、今も胸の中にたくさんの笑顔が、ほっこりと残っている。

いろんな本を用意できたのはよかったなあと、つくづく思う。エッセイが好きな人、小説が好きな人、ちょいエロ恋愛小説に惹かれた人、食べもの系が読みたい人。あとは稀に皐月まうが好きな人(?)。それぞれの本が届くべきところに届いていった感触があって、私はそれが何よりも嬉しい。


カナ猫さんの営業力にも、ものすごく助けられた。私の見本をぱらぱらと捲っている方に、カナ猫さんがさりげなくも強い、買わせる一言を添えてくれるだけであれよあれよと売れていく。さすがは営業マン……と褒めそやす暇があるなら自分で売れという話で。営業のコツは伝授してもらったので、次回以降はその技を発揮できたらと思う。

他のブースを眺める時間がほぼなかったくせに、目当ての本+‪αまでちゃっかり手に入れた私。思ってたんとちゃうレベルで買いすぎた自覚はある。
noteの知り合いや会いたかった方々にも無事にお会いできた。お話するときテンパりすぎて、基本的に日本語通じてなかったです……大変失礼いたしました……。だけど本当に、本当に楽しくて幸せなひとときでした。ありがとうございました。

つるさんにとき子さん、にじいろライブラリーの穂音さんとジェーンさん、うめおかかさん、ゆにおさん、久慈川栞さん、北公園の日下踏子さん、他にもその場で繋がってくれた方々!お話できて嬉しかったです。


文フリ前の記事で書いた通り、はじめましての方にも、お馴染みのあなたにも出会えた素敵な一日となった。書いた人の顔も、読んでくれる人の顔も見えること。noteの世界を飛び出してよかったと、心から思う。


さて、最後になりましたが、新刊の通販を開始しましたのでお知らせします。引き続き匿名発送なので、安心してお買い求めください。週末にまとめて発送いたします。
私の既刊エッセイ集「せいかつしていくために」と、掌編小説「少女よ、星になれ」は完売目前となりました。こちらは増刷する予定がありませんので、欲しい方はお早めにお願いします!

ちなみに今回一番の売上を誇ったカナ猫さんの「猫編小説」、売れすぎて在庫が本気でわずかとのこと。これぞ猫力ねこぢから。カナ猫さんの本も全力でおすすめします。

↓猫が売れすぎた人。

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