龍が舞う、鮮やかに塗り替えたい年女。
一粒万倍日に新しいものを使いはじめるといいと聞き、年末からスケジュール帳を新調した。あとから元日も一粒万倍日にあたると聞いて、やっぱり素直に元日から使っておけばよかった、なんてひっそり悔しくなった1月1日。
年末の曇り空などなんのその、爽やかなお天気に恵まれて迎えた朝。お雑煮を頬張り、お正月の好きな食べ物をたらふく食べて、近所の神社まで手をつないで初詣に行った、ところまではよかった。平和な、元日になるはずだった。
その後起きた出来事はわざわざ書くまでもない。それに相次ぐ悲しい出来事の数々は、もはや直視することすらできない。ただ事実として記せるのは、私の第2の故郷が今、大変なことになっているということだけだ。
年末に買ったピンク色の手帳は、きっと私なりに大きく動くであろう一年を鮮やかに彩りたかったからだった。どんなことがあっても、このぱっと目を引くピンクを見れば前向きに生きていけそうだと思って。(まさか新年からこんな状況にまでなるとはさすがに思いもしなかったけれど)
社会人2年目と、同棲2年目と、それから、おそらく初めて自分の「家庭」を持つことになるであろう2024年。舞い上がったり、逆に落ち込んだり、そんな私を支えてくれるのはこの手帳の色にあると思った。
さらに今年、私は年女だ。自分の干支の辰年は昔から気に入っている。十二支の中で唯一伝説の生き物なのは別格感があるのに、5番目という中途半端な立ち位置にいるあたりが憎めない、辰年。だから今年は特別なのだ。
どこにでも売られている手帳なのにわざわざ北陸で手に入れたのは、今考えてみれば何かしらの縁、みたいなものがあったのかもしれない。その繋がりを吉ととるか凶ととるかはさておき、私はこの手帳を通して第2の故郷と繋がっていると、信じていられる。今はそんな些細なことですら、私を保つ力になっている。
今、手帳の最初のページは暗い色に染められている。だけど今年はまだ始まったばかりで、失われたもの、植えつけられた恐怖心を簡単に忘れることはできなくても、いくらだって塗り替えていけるはずだ。いや、塗り替えたいと思う。
第2の故郷で買った鮮やかなピンク色。私はこの色に、今年一年を託したい。この先も何が起こるかはわからない。けれど私の心を引き上げてくれる存在さえあれば、ひとまず私は、大丈夫だと思える。今はそれだけでいいと思う。
きっと特別になる一年。まずは私が、元気に生きていかなくちゃ。
今年もよろしくお願いします。
ご自身のためにお金を使っていただきたいところですが、私なんかにコーヒー1杯分の心をいただけるのなら。あ、クリームソーダも可です。