明日になったら【1分マガジン】
ねぇ、チサちゃん。
明日になったら、僕らは結婚式を挙げるんだ。
ハワイの大きな、真っ白いチャペルで。
タキシードを着た僕と、純白のウエディングドレスに身を包んだチサちゃん。
僕はタキシードに着られているようにしか見えないけれど、チサちゃんのドレス姿は様になってる。ちょっぴり羨ましいな。世界一ドレスの似合う女だよ、チサちゃんは。
ほら、見える?
青空の下、たくさんの花に囲まれた僕らは幸せそうに笑ってる。あ、チサちゃんがブーケトスをしたよ。チサちゃんの一番の友達が受け取って、涙を流してる。
チサちゃん、嬉しそうだなあ。ハワイの日差しにも負けない、眩しい笑顔だ。
見たかったなあ、チサちゃんの人生一綺麗な姿。
僕はどうやら、チサちゃんの隣で、あの煌びやかなチャペルで、チサちゃんとの愛を誓うことはできないらしい。
ねぇ、チサちゃん。
もしこの飛行機が落ちなかったとしたら、僕らにはきっと輝かしい未来が待っていたんだ。
何があろうとも、チサちゃんがいてくれるなら僕の未来は間違いなく明るいんだよ。
痛いね、熱いね、苦しいね。
チサちゃんの手を最期まで握っていたこと、忘れないよ。
ねぇ、チサちゃん。
もし、僕らに明日があったら。
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小牧幸助さんの企画、 #1分マガジン に参加させていただいた作品です。
滑り込みセーフ!!でした。
500字以内に収めるってなかなか難しい……。普段1分で読める小説を投稿されている小牧さんには、改めて頭の下がる思いです。
でも、おかげさまでいつもは書かないタッチのお話を書くことができました。私にとっても貴重な経験になりました。素敵な企画をありがとうございます!
期間は9月30日(木)21:00までとのこと。よろしければこの機会に、皆さんも参加してみてくださいまし。あと少ししかないけど!
まう
ご自身のためにお金を使っていただきたいところですが、私なんかにコーヒー1杯分の心をいただけるのなら。あ、クリームソーダも可です。