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内面の良さに親子を感じる

恋愛は駆け引きなんて言い方をされることがあります。鷲巣麻雀よろしく相手の心が透けて見えるわけではないので、時間をかけてどういう感情なのかを見抜いていくという意味ではまさしく駆け引き。南郷さんや安岡さんがアカギの手牌や打ち回しを見ながら狙いに気付いていくように、読者がキャラクターたちの表情や心の声を覗いて秘めている気持ちを少しずつ理解していくのが恋愛漫画なのでしょう。

そんな駆け引きがアカギの麻雀並みに静かに苛烈を増してきた『アオのハコ』。今回は週刊少年ジャンプ2021年49号掲載の第28話「自分の家」についてお話ししていきます。

思わず掴んでしまった手、必死に誤魔化してその場は流す大喜。最近のことも含めて大喜の気持ちになって考えると、なかなか慎重になんてなれないよね。一方の千夏は、なんだか複雑な感情を含んだかのような表情。

プール掃除が終わった千夏と仲間の渚ちゃんは、部活へ向かう途中に同級生の初々しいカップルに遭遇。2人の話題は恋愛へと移ると、「恋人できるでしょと言われればそんなに興味ないなぁ。千夏もそうでしょ?」と渚ちゃん。千夏は「そうだね」とあまりハッキリ雰囲気での描写が。

更にバレー部の1人が転校するとのことで別れを惜しむメンバーたちの姿を見ると、「千夏が残ってくれてよかったよ」と千夏の居候の話へ。「その親戚の家にイケメンとかいたら、恋愛フラグたったかもしれないのに」と不意をつかれた一言に千夏は吹き出してしまう。「一つ屋根の下ならイヤでも意識しちゃいそうだし」に対して「そんなシンプルじゃないよ」とボソッと返す。これまでの表情だったりは雛ちゃんへ気遣ってのことかと思いきや、案外図星だからということなのかもしれませんねぇ。

時は変わって猪俣家ではバーベキュー。お肉を口へ運ぶときの顔、もぐもぐする顔、どちらも最高に可愛い千夏先輩です。

さて、千夏は食材の準備担当であるお父さんを手伝おうとします。「自分の家だと思ってゆっくりして」「だからこそお客様面できませんよ」と、日本人特有の親切のぶつかり合いが居候先としてベストだったなと感じます。更に、いざ他人の娘を預かるとなったときの夫婦間での話し合いで判断が煮え切らなかったお父さんは、「千夏ちゃんには大切な2年なんだよ。力になってあげるのが大人の勤めでしょう。」とお母さんから後押しを貰っていたことを明かす。この辺りの会話から、大喜の性格の根っこの良さは両親から受け継いだものなんだなと思いました。

まあ実は焼きそば麺を買い忘れていたことが発覚するわけで、大喜のお父さんだなぁと過去を振り返って感じます。千夏の買い出しの申し出に、大喜の同行を促すナイスアシストで挽回です。2人の時間はまだまだ続く!

「大喜くん、行こっか」なんて言われて次回が待てないこの引きに、期待は止まるところを知りません。

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