見出し画像

職場のモチベーション向上メソット~ ⑥「本質的な業務」の優先度を上げてやり抜こう!

こんにちは、松幸です。
3000名の工場を運営し、従業員にやる気をもって、楽しく仕事をするためにどうすればよいのか、日々悩み・考えて・実験しながら、自分なりの考え方・やり方を構築してきました。

皆さんの職場では、「戦略作成」「仕組みの構築」「業務標準作成」や「業務改善」などの「重要だが緊急性が低い業務(=本質的な業務)」は、当初の計画通り進んでいますか?

「売上高向上・原価低減活動やその追加対策」、「クレームや品質不具合対応」などの「重要かつ緊急性が高い業務(=本業+突発的な業務)」に追われてしまい、本来やるべき「本質的な業務」が疎かになっているのではないでしょうか?

「本業+突発的な業務」などの目の前の課題に集中してしまい、「本質的な業務」が疎かになってしまうのは、いくつかの原因が考えられます

【本質的な業務が疎かになってしまう理由】
a) 今、問題になっていないから・・・後回しにする
b) 結果に直結しないテーマが多く、完成するまでに長期間を要する為
 「ナカ弛み」や「マンネリ化」してしまう
c) 本業がうまく行っているため、本質的な業務の整備の必要性が薄れる

しかし、「突発業務」が発生する原因は、「本質業務」 が整備できていないことが多く、この状況を放置しておくと、更に「突発業務」が増えてしまいかねません。

そこで、「本質業務」の進めるための2つの手法をお伝えします。
「言うは易し」ですが、これを継続的に実行するのは結構難しいです!

【重要だが緊急性の低い業務(=本質業務)を進める為の手法】
① 業務を「重要度・緊急度」のマトリクスに整理し、
  突発業務と本質業務の関係性を明確化する
② 本質業務を「強制的に実行する時間」を確保する

こんな簡単なことで、出来るようになるのか?と疑問に思われるかもしれませんが、「本質業務」を強制的に実行する時間を確保するだけで、自然と業務は進みます。「本質業務」のレベルが上がると、突発業務が減り、職場環境も改善されることになると確信しています!

1. 重要だが緊急性が低い、本質的な業務とは? 

皆さんの業務は、どのように優先度を設定していますか?

【よくある 業務の優先順位付け】
最上位:売上高向上 や 原価低減 に関する業務(重要かつ緊急性が高い)
上位 :戦略策定 や 業務改善・5S活動   (重要だが緊急性が低い)
下位 :業務標準作成 や 人材育成     (重要だが緊急性が低い)

となっていないでしょうか?
即効性のない業務に関しては、どの職場でも忙しさに追われて
 「やられなくなった」り、
 「ナカ弛み」や「マンネリ化」し、
 「放置された挙句に自然消滅」

となってしまっているのではないでしょうか?

当然、企業や職場としては、「業績の向上」は最も重要な指標であり、それを達成するために目標などを設定しているわけですが、やはり、業績を追ってもその基礎ができていないことには、結果はナカナカ得られません
同様に、「品質の向上」を掲げても、品質マネージメントシステムが構築できていなければ、いつ品質不具合で大きなクレームが発生してもおかしくありません。

業務の基礎ができていないと、結果を出すことが難しい状況になります。

「本質的な業務」が出来ていないと、以下の状況に陥ります
 a) 目標に掲げた結果を出す事が出来ない
 b) トラブルなどの「突発的な業務」が増える

2. 業務を「重要度」と「緊急度」に分解してみよう!

それでは、皆さんの職場における業務を「重要度」と「緊急度」に一度分解してみて頂きたいです。これはご存じの方が多いと思いますが、「7つの習慣」という世界的に有名な本の著者であるスティーブン・R・コヴィー氏が提唱したタスク管理法です。

これを、個人のタスクではなく、職場における業務に当てはめてみると、以下のようになります。

画像1

当然、①「重要かつ緊急性の高い業務=本業+突発業務」が、最重要です。
しかし、②「重要だが緊急性の低い業務=本質業務」は、①を形成するために必要な仕組みであったり、基礎であることが多く、こちらもとても重要な業務である事が分かると思います。

そこで皆さんには、ご自分の業務を、「重要度」と「緊急度」のマトリクスを使って、一度分類をしてみて頂きたいと思っています。②の重要性を改めて理解することができるのではないかと思います。

例として、以下のような関係になると考えます。

画像2

特に、本業よりも「突発業務」が増えてきた時には、「本質業務」で業務の基盤整備をしていく必要があります。

例えば、品質関連のクレームが増えてくると、品質システムを見直したり、本格的に整備していく必要があると考えます。
また、ハラスメントなどの人的なトラブルが増えてきた場合には、ハラスメント教育などを行い対応策を講じていく必要があります。

総じて、重要だが緊急性のない業務(=本質業務)とは
 ① 戦略、中期計画、方針 などのプランニング業務
 ② 品質システム などの業務基盤の構築業務
 ③ 人材育成や人材教育 などの業務     など、
それなりの時間をかけて、腰を据えて行う業務です

3. なぜ「本質業務」は、疎かになってしまうのか?

一つは、本質業務そのものが直接的には問題にならない為、課題が表面化しにくいことが挙げられます。特に、業務基盤などが整備されていなくても、成長産業で事業展開していると、悪いところが見えなくなってしまいます。

また、本質業務は、品質であれば、品質不具合を発生させないための予防措置を考えることになる為、ありとあらゆる可能性を考えたり、ISO9001で提唱している品質マネージメントシステムを導入するなど、時間がかかる内容が多いのです。

ほかにも、職場Vision/Missionの作成 や 戦略/計画/方針の作成、業務改善や向上であれば職場の5S推進など、本質的な業務が多く、短期集中で実施したとしても、2~3ヵ月以上はかかるのではないかと思います。

やはり、このような業務は、根気が必要 かつ リーダーの推進力が必要であり、推進力がなくなると一気に下火になってしまいます。

【「本質的な業務」が疎かになってしまう理由】
a) 今、問題になっていないから・・・後回しにする
b) 本業がうまく回っていると、本質的な業務整備の重要性が薄れてしまう
c) 結果に直結しないテーマが多く、完成するまでに長期間を要する為
 「ナカ弛み」や「マンネリ化」してしまう

4. 「本質業務」を推進するための「強制的に実行する時間確保」しよう!

それでは、「本質業務」を遅延させずに推進するためにはどうするのか?
私が実践している簡単な方法は、「否が応でも進める体制を整える」です。職場全員強制的にやります。

何故なら、
①必ずやらなければならないことであり、
②実施することによって必ず効率が上がる からです。

具体的には、以下のようなやり方をお勧めします

【お勧めする 「本質業務」を推進する3つの方法】
・「本質業務」と「本業+突発業務」の関係性を明確にする
・重要な課題のWork時間をシッカリ取る
・上位者にも手伝ってもらい、進捗確認や報告する時間を確保する

まずは、「なぜ、やらなければならないのか?」を明らかにすること。
次に、最低限度の時間を確保する事
そして、キチンと進捗確認や報告をする事

非常にシンプルですが、これを行うだけで、驚くほど「本質業務」が計画的に推進して行く事を実感できると信じています。

5. まとめ

重要だが緊急性のない業務(=本質業務)とは
 ① 戦略、中期計画、方針 などのプランニング業務
 ② 品質システム などの業務基盤の構築業務
 ③ 人材育成や人材教育 などの業務     など、
確かに重要であるが、時間をかけて、腰を据えて行う業務である。

ただ、どの職場でも、「重要だが緊急度の低い、本質的な業務」は、疎かになりやすい状況にあります。

何故なら、「本質的な業務」は、
① 今現在、問題になっていない為、後回しになってしまう。
② 特に、本業がうまく行っていると、課題が見逃されやすい
③ 結果が出るまでに時間がかかる

よって、本質的な業務は、「強制的に実施する時間を確保する」しかありません。強制的に時間を作ることにより、必ず前進します。

【お勧めする 「本質業務」を推進する3つの方法】
・「本質業務」と「本業+突発業務」の関係性を明確にする
・重要な課題のWork時間をシッカリ取る
・上位者にも手伝ってもらい、進捗確認や報告する時間を確保する

何と言っても、ここに手を付けたことによる副次効果は、絶大です。
「モグラ叩き」の業務⇒「予防がされた」業務に変化していきます。
そうすることにより、後ろ向きな業務⇒未来を向いた業務に変化し、職場全体のモチベーション向上にもつながっていきます。

是非、本質的な業務に取り掛かり、職場を抜本的に改善して行って欲しいです。

※本記事は 許可なく第三者へ公開すること、または本記事の内容を転載する ことは禁止しております。場合によっては、法的措置をとらせていただきますのでご注意ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?