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職場のモチベーション向上メソッド ~⑨職場の活性化のための情報共有

 こんにちは、松幸です。3000名の工場を運営し、従業員が「やる気をもって、楽しく仕事をする」ためにどうすればよいのか、日々悩み・考えて・実験しながら、自分なりの考え方・やり方を構築してきました。

 初めて職制に昇格すると、その情報量の多さに驚かれると思います。情報がドンドン降ってくるけど、どこまで開示すればよいのか不安になることもあるでしょう。今までは、リーダーによってこんなにも情報が遮断されていたのか!とも感じますよね。
 それでは、職場のリーダーは、メンバーの皆さんにどのように情報提供すればよいのでしょうか?

基本的には、
出来る限りの情報は開示し、重点施策やKPI情報に関しては更に視える化して、情報を遮断しないこと が最適と考えます。

 情報をリーダーのところで止めることは、情報ギャップを生み、常にリーダーがメンバーよりも強い立場を構築する事が出来ます。しかし、チームで成果・結果を生みださければならない職場においては、良いことは何も起こりません。

 ビジネス情報は、大小の区分をすることなく、メンバーと共有し、リーダーと同じ情報レベルを保つ事が、戦場で戦っているメンバーが最前線で臨機応変に対処していくために必要です。

 例え前任者が情報を小出しにしていたり、上司から「おまえ限り」と言われた情報だとしても、それが業績や活動に直結する事であれば、メンバーと情報を共有し、活動の考えや方向性がリーダーとメンバーとが一致するようにコントロールする必要があります。

1. 職制になると情報量が驚くほど増える

 初めて職制になると、その情報量違いに驚きます。情報がドンドン上から降りてくるけど、メンバーにどこまで開示すればよいか不安になると思います。メンバーが自発的に働いてもらうためには、きちんと情報開示していく必要があります。

 しかし、情報をメンバーに降ろさない方が、上位ポジションを維持することが出来るのも事実だと思います。また、持っている情報をすべてメンバーに伝える時間も職制になりたてのリーダーの場合は、忙しさのあまり怠ってしまうこともしばしば発生してしまいます。

 情報は、ビジネスでは非常に重要なアイテムです。ビジネスは、一つの市場を他社と取り合う競争でもありますので、競合が存在します。競合に勝っていくには、単騎で戦っても勝利はおぼつかないので、団体戦に持ち込んで勝負していくわけですね。そうすると、適切な情報をできるだけ素早く多くの仲間と共有する事が勝敗を分けることになるのです。また、適切な情報により、適切な判断をして、有機的に活動する事が出来ることになります。ビジネスは、一人ではできませんし、勝てません。そのために、職場としてチーム編成をして、それぞれの立場でそれぞれの活動を行ってもらうのです。

情報は入手したと同時に状況を伝え、メンバーと共有し、その情報を行動に変換して行く事がビジネスにおいて重要と考えます。

 情報を開示する事により、メンバーに自ら考え、自ら行動し、活動に繋げてもらうことが、チームとして結果・成果を求められているリーダーが行うべきことです。

2. 情報の独り占めで自己保身が出来ても、肝心な成果は得られない

 確かに、情報を小出しにすることにより、メンバーが自分からの発信に耳を傾けてくれることになります。しかし、メンバーに自分で判断し、自分で活動してもらうためには、迅速な情報開示が絶対に必要です。情報開示を怠っていると、以下のような悪循環が組織内ではびこることになります。

【情報を遮断する事による悪循環】
・情報がないから、メンバーが気付かない
 →リーダーがメンバーに指示を出す
  →メンバーは指示を出されたことをこなすだけになる
   →その内メンバーは指示待ち状態になる
    →リーダーの仕事があふれてくるが、メンバーは気が付かない
     →リーダーがメンバーに指示を出す
      →そこからメンバーがやっと動き出す

実は指示待ち人間を作っているのは、情報を遮断しているリーダーの責任によるところが大いにあるのです。貴方の仕事のやり方によって、指示待ち人間を育ててしまっている可能性があります。

 情報をチーム全体に伝え、浸透させることの重要性は、サッカーの監督と選手の情報交換で例えてみると分かりやすいと思います。

【サッカーの試合に向けて】
・自分のチーム戦力と相手チームの戦力比較
・誰が先発に出て、どんな状況だと誰と誰を交代するのか
・どのようなフォーメーションで試合を戦うのか

あらゆる局面において、監督が勝利に向けて選手と情報を共有するわけですね。監督は自身の戦略や戦術をメンバー全員に浸透させることにより、メンバーが個人技を使うときにおいても、全体の戦略戦術を理解した上で個人技を生かしていく事ができます。独りよがりの個人技ではなく、チームプレーの中で個人技が活かされるので、より勝利に近づくわけですね。

この様に、ビジネスもサッカーの試合と同様に、自分だけが情報(戦略・戦術・戦況など)を持っていても、プレーヤーであるメンバーがそれぞれの立場での情報を理解しておかないと勝てないのが明白ですね。

特に職場の場合は、以下のビジネスとしての基本情報と方針転換などの変更情報は、メンバーの全員が理解しておく必要がありますね。

【特に共有しておく必要がある情報】
(会社の方針・戦略)今期、どんな結果を求められているのか?
(自分の役割)自分はどんな結果を出す必要があるのか?
(市場の戦況)会社や業界がどんな状況なのか?
(自社の戦況)それに対して、今、どのような結果になっているのか?
(対応策)更に活動を変化させていく必要があるのか?

リーダーがメンバーの一人一人の行動や活動を一から百まで指示することはできません。ある程度、メンバーが自分で考え自分で必要な活動を行い、結果を出してもらわうための情報は、チームとして共有する事により働く意味がありません。

 ただ、サッカーで言う監督交代や選手の移籍などの「人事異動や組織変更」の人事情報は、開示されるまで伏せておくのが良いでしょう。

3. 情報共有は、メンバーの行動を促すため

 市場や競合は、刻々と変化していきます。自社もそれに合わせて対応を変化させていく必要があります。経営に近ければ近いほど、市場や競合への対応が早いと思いますが、その臨場感などはメンバーにデッキるだけ早く伝えた方が良いですね。

 ただ、リーダーが受け取った情報をそのまま流すのではなく、あくまでも自分の言葉に変換して伝える必要があります。

【特にリーダーが自分の言葉に置き換えてメンバーに伝えるべき情報】
・会社の状況を伝え、会社が動いている臨場感
・上位者の考え方や方向性
 それが変更された場合は、その理由や意味
・また、メンバーにこの情報を受け取ったことで行動を促す

 更に、活動の進捗や活動結果をグラフにして視える化するのも非常に良い情報開示になります。情報を開示する事は、メンバーの行動を自発的に促すために有効です。視える化はまさにメンバーに自主的に行動を促す仕組みとして、多くの職場で使われています。情報の視える化に関しては、別の機会に解説したいと思います。

4. リーダーは「チームで成果を出す」ことを求められている

 情報をストップする事により、自分の地位やポジションをついつい維持したくなります。自分よりも優秀な部下がいる時には特に脅威に感じることがあるでしょう。
 ただ、一時的には自分のポジションがキープできるかもしれませんが、リーダーは「チームで成果を出す」事を求められていますので、結局評価されないことになります。

更に、以下のような悪影響も発生します。

【リーダーが情報を独り占めする悪影響】
・メンバーの不満がつのる
・メンバーが自主自立的に活動できない
 ⇒ 指示待ち社員が増える
・一から十まで自分が指示し、自分が活動しないと結果が出ない。
 ⇒ 結局自分だけが目立つワンマン職場に陥る

会社にとっては、百害あって一利なしです。やはり、見る人が見ると、そのリーダーが目立って活躍しているのとは裏腹に、メンバーを活かせていないリーダーに映ってしまいます。

5. まとめ

初めて職制になると、情報の多さに驚かれると思いますが、職場のリーダーは、「チームとして結果・成果を出す」事を求められています。いわば、サッカーの監督の役割となります。

よって、降りてきた情報は、大小の区別をすることなく、出来るだけ迅速に最前線で戦っているメンバーと共有し、メンバーが自発的に仕事ができるような環境を作ってあげることが、リーダーとして必要です。

リーダーとメンバーの情報量が等しくなれば、仕事における活動・行動が適切にでき、状況判断も適切にできるようになっていきます。情報は、最大の武器にもなりますが、滞ってしまうと命取りにもなります。職場のリーダーは、常に情報開示を心掛けて、メンバーとの情報レベルを等しくしながら仕事をする環境を整える事をお勧めします。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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