見出し画像

花粉症の季節を食事の工夫で穏やかに

春分を迎え うららかな季節。
岡山県北の山あいの工房近くは白梅がきれいで、桜ももうすぐ咲きそうな今日この頃。

画像1

花々が咲き爽やかに吹く風とは裏腹に、花粉症の息子はくしゃみを連発。

もともと花粉の症状はひどくはないのですが、黄砂がひどい日や、油断してお菓子を食べ過ぎたりするとすぐに症状が出てきます。

今回は元保健室勤務で自然療法を学んできた経験より、少しでも花粉症の季節を穏やかに過ごす工夫や食生活について書いていきたいと思います。

花粉症は実は肝臓の毒出し!?

花粉症=デトックス(排毒)というのを聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

冬は寒さに備えて動物たちが冬眠するように人もエネルギーを温存し代謝が落ちるので、体に取り入れた毒素が溜まりがちです。
春になると身体は温かさを感じて、代謝も上がり発汗しやすくなり不要なものを排出し始めます。

東洋医学では、この春の排出を担っているのが肝臓と言われており、「花粉症(アレルギー性鼻炎)」は、実は肝臓の排毒(毒出し)なのです。
これにより目のかゆみ、充血、くしゃみ、鼻水など、全ての症状はこれまでに体に溜まっていた毒素が出ている状態なのです。

したがって薬で単に鼻炎症状を抑えるのは、体の内部に溜まった毒素が出口を失い蓄積し続ける状態ですので、薬だけに頼るのはあまりおすすめはしません。
(症状がひどくて、仕事や日常生活に支障が出る時に薬を使用するのはもちろんOKです!)

ただ根本的に花粉症を軽くしたいのであれば、年間を通して体に入る体に不要なものを減らしたり、この時期に肝臓の機能を助けてくれる食材を摂るのが大事です。

花粉症の症状を和らげてくれる食材やアイテム

中国では、アクの強い食材を食べると体内のアクを排除してくれると考えられています。
ちょうどこの時季が旬の山菜。タラの芽、フキノトウ、ゼンマイなど山菜が春の解毒を促してくれます。

画像2

ニラや菜花など緑の野菜も血液をきれいにしてくれるのでいいですね。
苦みと甘みのある よもぎ茶 も血液の浄化作用があると言われてアレルギーの諸症状に良いとされているのでおすすめです。

画像3

息子は普段はよもぎ茶を嫌がるのですが、花粉症の時季だけは「美味い!」とゴクゴク飲んだり、フキノトウやタラの芽など苦みのある山菜も喜んでパクパク食べるので、体が欲しているんだなぁと見ていて面白いです。

先日はご近所さんから山で摘んだウド菜をたっぷりいただきました。
苦みがありますが、香り高く天ぷらにしたらとても美味しかったです。

画像4

そして肝機能を助けるのは酸味も大事。
イチゴや柑橘など果物や梅干しなどの酸味も肝機能を助けてくれます。

最近、皮膚科専門医のDr.rikaさんのブログで知ったのですが、すりつぶしたイチゴは花粉症の原因となるIgE抗体を抑制する働きがあるとされてるそうです。
山菜もイチゴもちょうど今の時期に出まわるもので旬のものは意味があるのですよね。

また、ハッカ油をこの時季に使用するのもおすすめです。
ハッカ油の主成分であるメントールは、鼻やのどにある細菌やウイルスを防いだり、異物を咳や痰として外に押し出す「線毛」の運動を活発にする効果があることが研究論文でも示唆されているそうです。
そして、冷却、消炎鎮痛作用もあるので、ほてりや痒みを穏やかにケアしてくれます。
写真はハッカ油入りの春せっけん。

画像9

ハッカ油の香りがスーッとして鼻や目がスッキリすると息子の大のお気に入りです。
三色の見た目も可愛く保湿力の高い酒かす入りなのでマスクで肌荒れしやすい人にもおすすめです。

画像6

ハッカ油は鼻の通りをよくするので、スプレータイプのものをひと吹きしたり、1滴だけマスクの内側に垂らすのもおすすめです。

花粉症だけでなく万病を予防する腸の免疫システム

花粉症について調べると、戦後の国の造林計画によりスギ花粉が増えたことがベースにあり、車の排気ガスや大気の汚染により鼻の粘膜が弱ったり、腸の免疫システムの崩れも関係していることが認められています。

画像7

腸は食べ物を消化・吸収する臓器であると同時に身体全体の60%以上の免疫細胞と抗体を持ちます。
この免疫システムのバランスが現代の社会のストレスと、不規則な食生活によって崩れることでアレルギーの病気を引き起こすことが分かってきているそうです。

花粉症に限らず、どの病気も腸内環境を整えることが大事です。

腸内環境に良い食べものと悪い食べもの、調べ始めると大量の食材リストができてしまい逆に何を食べたらいいのか分からないと逆に混乱してしまいそうですよね。

体内できれいに燃えるものを食べよう

私は食生活については難しいことやカロリーとか考えずに、「体内できれいに燃えるものを食べよう」と意識しています。

例えば車のガソリンに不純物が混ざっているときれいに燃えずに不完全燃焼を起こして黒い煙が出たりしますよね。
あの不完全燃焼の煙が人にとっての症状です。
不純物の多いガソリンを使い続けたらいずれエンジンを傷めて故障してしまいます。

私たちの体は食べたものからできています。
その食べものが加工されすぎていて、添加物や遺伝子組み換えや農薬など、不純物が入っていると、消化器や肝臓はこれらを蓄積し分解するのにエネルギーを要します。
多すぎる乳製品や小麦、脂肪や油分、酸化した油も消化にエネルギーを要し、食後にもたれたり怠くなったりしますよね。
糖分であれば白砂糖よりは黒砂糖やはちみつが体の中ではビタミンやミネラルも含み代謝がスムーズです。
はちみつ選びについてはこちらの記事を参照

加工食品に含まれている保存料などの添加物は、食品に細菌が繁殖しないよう添加されていますが、こうした添加物は腸内細菌にも影響を及ぼします。
参考記事→「食品添加物は腸内細菌にどう影響する」

肌は排泄器官も担っていますから、不完全燃焼する食べものは肌荒れや肌に吹き出ものとなって出てきたりするので、美容にも大敵。
また体内できれいに燃える食べものを意識するのはダイエットにおいてもとても大事なことです。
何を食べる?より、自分の食生活から、不完全燃焼しそうなものを少しずつ減らしていく、まずは引き算していくことをおすすめします。

見分け方は食材であれば、なるべく農薬使用の少ないものや信頼できる販売元や生産者さんのものを選ぶこと。
マーガリンよりはバターを選び、白砂糖よりはきび砂糖を選ぶ方がいいでしょう。
また加工食品であれば、食品の裏ラベルを見て、原材料にPH調整剤、アミノ酸調味料など、家庭の台所にない調味料の名称、すなわち添加物がズラズラ〜とたくさん羅列してあるものは、体にとっての不純物が多いということです。

例えばコンビニ弁当とか、カップラーメンとか裏の原材料見るとすごいですよね。
なるべくその羅列が少ない物を選ぶと不完全燃焼を起こしにくくなります。

生きている食べものを食べる

そしてできるだけ鮮度の良い「生きている食べものを食べる」ことも大切にしています。
例えば朝採れの野菜と、冷蔵庫で1週間経過した野菜ではどちらが体の「元気」に繋がるでしょうか?

ビタミンとかミネラルとか難しいことを考えなくても感覚的に美味しいと感じるものを選んでいけば、朝採れ野菜の方が美味しいと感じますよね。

お刺身が生臭くて食べられないと言っていた友人が、漁港の近くで出された新鮮な刺身は美味しく食べられたり、トマトが嫌いな子が、採れたての無農薬トマトはパクパク食べたりと、私たちの体は本来、体にいいもの・できれば入れたくないものが分かるセンサー(味覚や嗅覚)を持っているはずなのです。

顆粒だしより、出汁パックで作ったお味噌汁の方が風味がよく出汁の香りを感じられたり、体にもすうっと入っていきます。
体が喜ぶ食べものは後味がきれいで、口や喉に変な味が残りません。

食材が最も美味しくなる「旬」はもともと十日間という意味。
旬の生きている食材は栄養価も高いので、ぜひ取り入れていきましょう。

花粉症対策に和食を取り入れよう

もともと日本の食は発酵食品が多く、醤油、味噌、漬け物、納豆など、腸内細菌にとっては素晴らしい食文化です。

画像8

海に囲まれている日本では、小魚や貝類や海藻、お米や雑穀などの穀物と野菜や発酵食品が多く、パン食、肉食、乳製品が日本の食卓に上るようになったのは江戸時代の末期や明治時代になってからと割と最近のこと。

食文化の違いから日本の方が西洋人より腸が長いという話があったり、乳製品や動物性タンパクを分解する酵素は日本人より西洋人の方が多いと言われています。

150年やそこらで人の内臓はそう大きく変わらないと思うので、時々はパン食もいいけど、やはり日本人の食性に合うご飯やお味噌汁を中心とした和食は大事だなぁと思うのです。

花粉症の症状は人によって、程度も様々ですが、乳製品や牛乳を飲む量を控えただけでも翌年の症状が軽くなったという話を聞いたり、よもぎ茶を飲み続けて症状が軽くなったという人もいます。
春に限らず季節の変わり目は解毒の時期で、自分では気づかなくても内臓ががんばっている状態なので、体にやさしい食を意識したいですね。

食べたくない時は無理に食べずにプチ断食

そもそも現代人は食べ過ぎなので、お腹が空いていない時は無理に食べる必要はありません。
時々プチ断食するだけでも、腸をはじめとした内臓の負担が減り、免疫力が上がることが分かっています。
私も朝食欲がない時は無理に食べず、スロージューサーで作った人参リンゴジュースだけにするなど、定期的に食を抜いて胃腸を休めるメンテナンスをしています。

画像9

もちろん私も、お肉が食べたくて焼肉を食べたり、カップ麺を食べたりすることもあります。
そういうときは罪悪感を感じずに食べてもいいのです。

アルコールは飲み過ぎると血管を拡張し花粉症の症状が悪化すると言われていますが、時には楽しく飲むのも大事です。
あれはダメこれはダメとストイックになりすぎたり、ストレスに感じている方が体に毒です。

楽しく食べて飲んで、最近食べ過ぎたなぁ〜と思ったらその後リセットしたらいいのです。

できる範囲で少しずつ変えていくだけでも腸内細菌が元気になって、風邪をひきにくくなったり花粉症の症状が軽くなったりしていきます。(お陰様で最近の息子は花粉症の症状も治まってきて元気です。)

食は毎日のことですから、ゆるく美味しく楽しく継続していきたいですね。

食事の話を書き始めると、どうしても長くなってしまうのですが、何か少しでもヒントになったりお役に立てる情報がありますように。



この記事が参加している募集

習慣にしていること

いただいたサポートは今後の石けん作りや学びに、そして他のクリエイターさん達へのサポートに使用させていただきますね。