VUCA時代を生き抜くには❓教師が英語授業で生徒にできることは❓

VUCAとは、現代(あるいは未来)の社会を象徴する以下の4つの言葉の頭文字を取ったもの。

変動性を意味する言葉、Volatility
不確実性を意味する言葉、Uncertainty
複雑性を意味する言葉、Complexity
曖昧性を意味する言葉、Ambiguity

これらの頭文字、VUCAを取って「ブーカ」と呼びます。

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私自身、教員なのでこんなことを言うのはおかしいと感じる人もいるかもしれませんが、教科書の内容を完璧に覚えたり、先生の話だけを素直に勉強したりすることでは、正直VUCAの時代を生き抜くには難しいでしょう。

なぜならば、VUCAの時代では、自らが課題を見つけ、解決へと導く手段を考え、実行し、時には見直し、修正活動をしないといけないからです。

「現状把握・課題発見」→「計画」→「実行」→「見直し」→「軌道修正・成長」のサイクルで動こることがVUCA時代を切り拓く成功の鍵。

このように、自分自身で、このサイクルができる人を「自律型学習者」と呼びます。
2020年現在では、「自律型学習者」を育成することが学校教育のゴールの一つとも言われています。

しかしながら、現在の学校教育の手法自体は、紀元前のソクラテスの時代から大きく変化が起こっていません。

手法が大きく変化していないとはどう言うことでしょう?

それはつまり、「教師」がゴールや学ぶ内容を決めて、「一方的に」教師から生徒に知識を伝達していると言う点に関してです。

(他教科も同様かもしれませんが、)みなさんが経験した、あるいは経験している英語の授業を想像してみてください。

誰が授業の内容を決めますか?
誰がプリントを作りますか?

全て「先生」ではありませんか?
中には新出単語の意味を毎回教えてくれて、発音練習をしてくれる先生もいるかもしれません。

上記のことをやってはいけないと言うことではありません。
しかし、中学校から高校の計6年間に渡り、先生が同様のスタイルでやり続ける必要がないと私は考えているだけです。

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日本の英語教育はこの写真の赤ちゃんのようにSpoong-feeding教育である傾向が高いです。

親が献立を考え、具材を買い、調理をし、子供にスプーンで食べさせる。

英語教育で言えば、

先生がゴールを考え、フラッシュカードやプリントを作り、アクティビティをし、生徒に英語の授業を展開する。

どんなに生徒が授業で英語を楽しく英語をやっていても、先生が授業の全てを作り上げている限り、生徒は「自分自身に合った学び」を模索したり、発見したりすることはありません。

結果として、生徒が卒業後に「先生、英語ってどうやって勉強するんですか?」と言う質問が生まれるわけです。(実は私が自分の生徒にされたわけですが。)

生徒の発達段階や学習者としてのレベルによって私自身どのように教師としてのアプローチの仕方を変えていくべきかは現在もなお模索中ですが、日本の教育は概ね中学1年から高校卒業するまで、つまり6年間このように教師主体の英語の授業が展開されています。

言い換えると、VUCAの時代に必要とされる「現状把握・課題発見」→「計画」→「実行」→「見直し」→「軌道修正・成長」のサイクルとは真反対の教育を受けていることになります。

「自律型学習者」の育成が求められているこのVUCAの時代に、学校現場では「依存型学習者」育成をしているということではないでしょうか。

生徒の発達段階や学習者レベルに応じて、特に私を含めた高校教員は、それらのレベルが最高位である生徒に携わっているのだから、いつまでも教員主体の授業をするのではなく、もう少し生徒を信じて、生徒主体の学習方法を取り入れて、最大限に生徒の自律学習を助長すべきだと私は考えます。

例として、生徒が授業を計画する。お互いに教え合う。学びたいものが選択できる疑問や課題は自分達で考え共有する。など様々なことが行えそうです。(←実は今、勤務校にて実践中。生徒がどうチャレンジし成長するか本当に楽しみです。)

私自身も様々なことを生徒にチャレンジさせて自律型学習者をどのように育成できるのかを今後も模索していきたいと思います。

終わりに、最後まで読んでくださりありがとうございます。

より良い英語教育が日本で実施されることを願います。

(2020年7月現在)




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