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小説:掌編(ショートショート)

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#夢

【掌編】夢を見る星

【掌編】夢を見る星

 春の夜は時間をかけて地上を覆い、まるで出し惜しみするかのように、星の瞬きをひとつひとつ暗幕に灯し始めた。村の明かりは微々たるもので、高原と夜空との境界を曖昧にしていたが、西にそびえる連峰の冠雪の白さだけは、暗闇のなかに仄かな輝きを放っていた。

 若い村娘がひとり、ランプも持たずに暗い高原を渡っていく。青地のスカートの裾を持ち上げ、後にしてきた村を振り返りもせずに歩いている。ひたむきなその目は、

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