身近な人を亡くしたことが無い人に読んでほしい1冊
あなたは身近な人を亡くしたことがありますか?
大切な人を失ったことがありますか?
「死」について向き合ったことがありますか?
『エンド•オブ•ライフ』は、この3つに1つでも当てはまらなかった人が読むべき本では無いかと思います。
僕は2つ当てはまっていたので読んでみました。ちなみにノンフィクションものは初めてでした。
あらすじとしては、訪問医療による緩和ケアに携わる人たちとその患者たちとの関係性を垣間見ることができる内容となっています。
1人の人間が自分が終わる時にどのような選択をし、それを周りの家族がどのように受け入れていくのか?
それを目の前でみた医者や看護師、筆者のそれぞれの思いが如実に映し出されているのではないかと感じました。
人生の終わり、まさにエンドオブライフです。
この作品を読み終わった後に思ったことがあります。
「僕は、誰かのために自分の人生や時間を費やして尽くすことが出来るのだろうか?」
ここで登場する人たちは、自分の人生や時間を費やしてその人たちを支えようと尽くしています。
例え仕事や家族だと折り合いをつけようとも、それ以上に割り切れないような問題が立ちはだかっていきます。
それでも、1つ1つに真摯に向き合って行く姿がその作品の中にありました。
僕は出来ない気がしました。
逃げ出しそうな気がしました。
そんな自分の弱さを知ることができました。
最近のSNSでは、「自分のために生きろ!」とか、「他人に自分の時間を費やすことは無駄だ!」、「個の時代だからこそ自分だけの技術を身につけろ!」など自分の世界観を持ち社会に挑んで行くような風潮があります。
僕もその1人であり、より自分のために厳しく生きていこうと考えていました。
しかし、この本に出てくる人たちは、誰かのために全力を尽くし続ける人たちでした。
その人が1日1日を生きているだけで、その人が最後まで満足して生きていけるように、どんな手段を用いようとも寄り添い遂げる姿がありました。
1人じゃ人は生きていけない。
誰かがいて始めて生きていられるんだ。
誰かとの関わりをより見つめ直すキッカケとなりました。
僕の好きな曲にSUPER BEAVERの『ひとりで生きていたならば』という曲があります。
その歌詞に、
ひとりで生きていたならば
ひとりで生きていないから
悔しさ込み上げるほどの
「大切」に出会えたんじゃないか
こだわって生きると今一度言い切るよ
原動力はずっとひとりで生きていないから
この本と出会う前の僕は、友人たちとの思い出を振り返り、社会人になって離れ離れになり1人になったとしても、ひとりで生きているわけじゃない!みんながいるという捉え方でした。
しかし、この本と出会ってから、それまで関わった全ての人をもっとアンテナを張って向き合って行こう。話して行こう。会いに行こう。という気持ちが芽生えました。
このご時世で実家に帰ることはできません。
だからこそ僕は電話で父親や母親にたわいもない話をしています。
自分だけのために生きるのは間違ってないと思います。けど、僕たちはひとりでは生きていけない人種なのではないかと思われます。
先週、社会人になって初めての給料が出ました。金額はそれほどありません。それでも親に何か買おうと思いましたが、初任給のタイミングで母親から連絡が来ました。
「何かを買って送るよりも、何が出来るようになったか、これから何をしていきたいのか、そういう話をしてくれるだけでいい。そして、いつか本当の意味で稼げるようになったら何か買ってね。あなたの初任給で買えるものなんで、私たちは買えるようになっているから。」
誰かのために尽くす気持ちは、かお互いをある意味気遣わせるのかもしれませんね。
自分のために頑張ることで誰かのためになっていることが分かったので、また1つずつ経験を積み重ねて行こうと思います。
『エンド•オブ•ライフ』を読んで、考えて、行動に移した結果、このような心情に至りました。
本を読んで1番ダメなのは、読んだまま終わることだと思います。そこから、何か1つの小さなことでもいい。考えて行動に移すことで意味があるのではないかと考えます。
僕はこの本を読んで良かったと思います。
また、本を読んだ感想を投稿していきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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