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備忘録

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日々を忘れないために、毎日書いてます。
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2020年12月の記事一覧

木偶

木偶

どうにもならないから作ってみただけだった。

こっちの世界じゃ何も思い通りにいかないから、ほんの家の片隅に、自分に似た人形一人と、素敵な黄色の椅子と机と、それに人工芝を敷いてみた。

これが存外自分を満たした。そこの自分は自由に過ごしていた。
まるで別の世界線の自分を見ているようで、彼が陽気なら自分も少し陽気になれた。

そんな不意の思いつきが、彼を生んだ。
つまみに買ってきた生ハムのかけらを彼の

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こたつ

こたつ

自分の家にはなかったけれど、
幼馴染の家にあった、
こたつ。

布団と机のハイブリッド。

布団に入っただけで眠くなれるのに、
暖かいこたつに入ろうもんなら、
勉強も仕事もほったらけ。
人間の知能を著しく下げる装置。

相手国にこたつを送れば、
知能が下がり、制圧可能。
あの正方形は兵器にもなり得る。

こたつに入ったら、
みかんの皮剥いて食べる以上の
筋力と知力を使う作業はできない。

こたつが

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本当の流行語大賞

本当の流行語大賞

2020年度の本当の流行語大賞は、

『こんなご時世』

です。

松村の感覚的にね。
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8:30起床。
何歳になっても1限はキツイ。
高校時代はもう学校に着いてて、
小学生はもう授業始まってたかともうと、
俺本当に進学してきたか疑っちゃう。

1限。国語科教育研究2。
今日の発表者が教授にボコボコにされてた。
来週は自分。スライスされてる自分が浮かぶ。

2限。教育

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肉を焼いて火囲って踊ろう

肉を焼いて火囲って踊ろう

無意識のうちに、負の意味になっている言葉が多数存在すると思う。

例えば、「贅沢」。
「贅沢だなあ。」と言うと、
「高望みしすぎだ。」とか、
「お金使いすぎだ。」などの意味で
用いられる場合が多い。

しかし、「贅沢」の気持ちにもなってやれ。
「贅沢」はされるためにあるのであり、
「贅沢」はするためにあるのである。

何もそれが「贅沢」だからと言って、
それを申し訳なさそうにしたりとか、
ありがた

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遠くなってしまった友人達へ

遠くなってしまった友人達へ

お元気でしょうか。
元気であることを祈るばかりでございます。

昨今の細菌の影響により、
まあ細菌といっても、
その定義からは外れるわけですが、
そのまま言葉にするのも気力を削ぎますので、
細菌ということにさせていただきたい。

そんな細菌の影響により、
年末の帰省を諦めた次第であります。

大切な友人である君たちとの時間を、
唯一過ごせるのが年末年始でもあるのですが、
今年はないと思うと寂しいこ

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旅するティッシュボックス

旅するティッシュボックス

ティッシュを二箱開けてしまった。

ティッシュがなかったので新しい箱を開けたら、元の箱が「ヨゥ」と顔を出したのだ。

何かこう、贅沢をしているような気持ちになる。
別に減るペースは変わらないし、いつかは使う物なのでなんの損得も生まれていないのに。

そもそもティッシュ箱というやつは、
我々の意識の外にでて、部屋中を動き回りすぎだ。

所定の位置に置いているつもりが、
気づいたら棚の上、机の上、テレ

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