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小生書いてみたよ小説

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何か“降りてきた”ら、書きます、小説。
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2024年2月の記事一覧

恐怖が足りない

恐怖が足りない

私は怖いものが好きだ
今に始まった事でなく
4つか5つの頃には
楳図かずお先生の本に出会い
その後、様々な怪談本を貪り読んだ

自分でも複雑な思いがある

恐怖を研究する事等思いつかなかった
だから
単にファンなのかマニアなのか
そんなものになっていた

それって危険なのかなと

何かの命をとった事はない
自分が痛いと思う事は人も同じだと
認識があるから
傷つける事は想像のみだ

ただ、足りなくて

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眠りの罪

闇を司る神は云った

「お前は何もしていない
眠る必要は無かろう」と

俺はこの瞼を上向きに縫い付けられ
眼を剥き出しに生きねばならなかった
生き地獄と餓鬼達は云う
「お前にはお似合いだな」
「無間地獄よりはマシだぞ」と笑う

乾きが激しい眼に蜘蛛の巣の血管が駆け巡る

俺は眠りたいだけなんだ
神よ、眠るのは罪なのか

「違う
惰眠を貪るだけで
この世に何も成さないことこそが

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