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名刺代わりの小説10選

きのう、Twitterでつぶやいた
僕が好きな小説10選について補足を加えて記事にします。

20代、30代の頃、
ミステリーが好きだった僕は、手あたり次第に
読みまくりました。

▽占星術殺人事件/島田荘司
 新本格ミステリーの旗手・島田荘司が生み出した
 稀代の名探偵・御手洗 潔(みたらい きよし)シリーズ。
 皮肉にも漫画「金田一少年の事件簿」にトリックがパクられたことで
 有名になってしまった作品です。
 もちろん元祖はこちら。

 ミステリーのだいご味、どんでん返しと壮絶な人間ドラマ。
 泣ける本格ミステリー。

▽奇想、天を動かす/島田荘司
 同じく、島田作品、こちらは刑事・吉敷シリーズの最高峰。
 ちっぽけな老人が起こしたちっぽけな事件の背後には
 驚くべき日本人の罪と、圧倒的な孤独との戦いがあった・・・
 初めて読み終わった後、
 「とんでもないものを読んでしまった・・・」
 布団に入ってから、ドキドキして眠れなかった思い出があります。

 ※kindle版がないことに衝撃を受けてます。

▽マリオネットの罠/赤川次郎
 稀代のストーリーテラー
 赤川次郎、初期の名作です。
 僕はまんまと罠にはまってしまいました。
 極上のどんでん返しをぜひ。

▽慟哭/貫井徳郎
 どんでん返しといえば、
 これもかなりエグい完成度。

▽八つ墓村/横溝正史
 横溝正史といえば、
 おどろおどろしい因習と血塗られた家族の系譜が定番。
 こちらも道具立てはそろいまくっているものの・・・
 最後、深い感動と共に読み終えることができる傑作。

 「命をかけて届けようとしたおにぎり」に僕は泣いた。

▽夜、歩く/横溝正史
 ど真ん中ストレートばかりを投げてきた
 作家・横溝正史が唯一投げた魔球“ナックル”

 どうかスカッと騙されて欲しい。
 ズルい? いやズルくない!

▽時計館の殺人/綾辻行人
 綾辻行人の館シリーズの中でも
 僕が一番好きなヤツ。
 作品全体から漂う重厚感、ラストのカタルシス。
 作品の柱を担うメイントリックはシンプルにして大胆不敵。
 
 タイトルに伏線が張られているのに
 まんまと騙されました。

▽水滸伝/北方謙三
 これはサイン会であったホントの話。

 登場人物の一人に鮑旭(ほう きょく)という武将がいます。
 もともとはクズ人間だったのが、
 ある人物の元で修業をする内に、戦士としても人間としても
 見違えるように成長を遂げる、そんな人物です。

 そんな鮑旭ファンの女性がサイン会の席、
 いきなりテーブルにドンっ!と手をこう言ったそうです。

 「鮑旭は死にますよね」

 この時、鮑旭は病にかかり痩せ細り、死に向かっていました。
 彼の“死期”を悟った、その女性は続けて言いました。

 「死ぬことは覚悟しました。
  ・・・ただ、病死だけはやめてください」


 ボロボロ涙をこぼしながら、北方さんに訴えたそうです。
 その女性ファンの思いをくんだ北方さんは
 病をおして戦地に立たせ、仲間を助けて死んでいく勇敢な最期を
 鮑旭に用意しました。

 この作品には鮑旭のような武将がいっぱい出てきます。
 一人一人が、キラキラ輝いています。

▽今はもうない/森博嗣
  作品の内容もさることながら、
 最後の文章がとても好きです。
 
 文章なのに、
 美しい写真のようであり、
 絵画のようであり、
 成分が“文字”とは思えない、そんな宝石のような一文。

 いつかこんな文章が書けるようになりたいものです。
 ラストの言葉
 「今はもうない」で着地ピタリ。
 森さんは天才。

▽火車/宮部みゆき
 今さら僕が勧めるまでもなく
 宮部作品の中でも、大好きな作品。
 ラストに向けて、焦点が絞られていく感じが
 さすがです。

 そしてまさかのKindle本、紙の本もAmazonで見当たらず…
 マジすか。


尻切れトンボ感がハンパないですが、
どれも素晴らしい作品です。

ぜひ。


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