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「ものづくり」のリアルや海外進出で見えてきたもの

こんにちは!CADDiの幸松です。
CADDi創業期からおり、一貫してMANUFACTURING事業のサプライサイドの担当をしています。この度、弊社はシリーズCの資金調達を実施いたしました。

一般的にシリーズB~Cの期間はグロースフェーズと呼ばれますが、CADDiのMANUFACTURING事業においても大きな変化点となりました。このnoteでは、CADDiのMANUFACTURING事業が、その名の通り「ものづくり」領域で向き合ったリアルについてお話したいと思います。

ものづくりのリアルに向き合う

弊社芳賀のnoteにもありますが、
MANUFACTURING事業のここ2年のハイライトは以下の通りです。

ここ2年のハイライト

CADDiは日本を代表する大手装置メーカー様とのお取引をこの2年で急拡大させてきました。

製造業において、大手メーカー様とのお取引では高い要求への対応が求められます。見積もり対応、サプライチェーン網や品質管理体制の強化はもちろんのこと、材料の確保、国内外の物流の手配、倉庫を経由した納品まで、E2Eでリアルなオペレーションを急速に立ち上げてきました。様々な専門性を持つメンバーを仲間に加えながら、ときにはトラブルを乗り越え、汗水垂らしながら積み上げてきました。

これ自体が大きな事業の進化なのですが、この過程で痛感したのが、標準化されていない製造業の実態です。

製造業は標準化がなかなか進まない

様々なお客様の要望に向き合う中で、解像度を高め、標準化に向けて本格的に動き出したのがこの2年間でした。CADDiは個社に対してメリットがある状態を作りながら、将来的に業界全体最適になるようなプロトコルを生み出していくことを目指しており、今はそのための壮大な投資フェーズとも言えるわけです。

そして自らリアルなペインに向き合う中で出てきた構想の一つがCADDi DRAWERです。

MANUFACTURINGという「モノ事業」とDRAWERという「ソフト事業」を両輪でやることの意義がここで現れています。これからも様々なペインに向き合いながら、この業界で新しいプロトコルを生み出し続けたいと考えています。

グローバルに向き合う

もう一つの大きな変化は、急速なグローバル化です。私の担当するサプライサイドも、ここ2年で現在日本/ベトナム/タイ拠点の3カ国が主軸になっています。

一面的に捉えると、日本でなく海外からも部品を調達することに、私も葛藤はゼロではありませんでした。

しかし実際に足を運んでみると、製造の得意や文化の違いはあれど、各国根本となる製造業の構造やペインは共通で、CADDiが目指す世界に対して共感してくれる海外の加工会社様も数多くいらっしゃいました。

各国の加工会社のペインは共通

ベトナムのローカルの加工会社様の一社は、毎年売上2倍という高い目標を掲げるだけで無く、自分の会社から世界の製造業を良くしていきたいと考えていらっしゃいます。CADDiのようなプラットフォームを作ることを昔に構想し、当時頓挫したが、時を経てCADDiのような会社と巡り合えたことが本当に嬉しいと言ってくださいました。このように大きな志を持つ企業がいる中で、CADDiのミッションに国境はないと感じました。

日本のものづくりと比べると荒削りな部分もありますが、その成長意欲や変化のスピードは凄まじく、技術の高さに驚くことも何度もありました。

初めて商談をさせていただいてからまも無く大型案件に合意し、1ヶ月後には工場の壁をぶち抜き、レイアウトを大改造させていただいたこともありました。

ベトナムの加工会社様の従業員に製造方法を指導
CADDi専用のラインを作っていただくことも増えました

大きなミッション・ビジョンを掲げるCADDiにとって、将来の主戦場はグローバルです。こういった各国の強みを最大限に活かして行かなければ、世界的顧客の要求に対応することはできません。逆に言えば、グローバルの中で日本のものづくりが持つ強みも当然にあり、グローバルでの最適化をすることが価値提供可能性を広げていきます。

CADDiのグローバルでのリアルは、ぜひこちらの記事から除いてみてください。

モノづくり産業のポテンシャル解放について

数多くのお客様、加工会社様と接する中で、加工会社のポテンシャルとお客様の案件がうまく結びついていない状況を何度も目の当たりにしています。

まず加工会社でいうと、技術はあるが仕事が安定しない会社様がたくさんいらっしゃいます。高精度の半導体製造装置部品を作っているが、業界の繁閑ので稼働が安定していない会社様。自動車の部品をトップレベルの品質管理体制で作っているが、EV化のトレンドで仕事が減っている会社様などなど。こういった会社様は本来、異なる業界にも適応しうるポテンシャルを持たれています。

一方でお客様側も悩みは尽きません。まず国内の加工会社減少の中で、調達網の安定確保が重要課題になっています。しかしどの加工会社が何が得意で、どれだけのキャパシティを持っているか、データが可視化されていないのでお客様も把握しきれません。かつ不足していたとしても、様々な暗黙知があるなかで、品質/納期/価格があうサプライヤーを短期で立ち上げるのはかなり難易度が高くなっています。

ニーズはあるけど、暗黙知によって立ち上げられない

需要は増えていく、なのに適切な供給者が結びつかない。この構造が続くと、製造業の様々な技術、知見が失われていきます。そうした未来が近づいてきているのです。

鍵はやはり、これまで積み上げられてきた暗黙知を資産化し、データやITを活用しながら、モノづくりをアップデートしていくことにあると思います。

おわりに

CADDiのチャレンジは一筋縄ではいきません。

バリューチェーンが非常に長く、様々な工程、ステイクホルダーの中で価値を出していく必要があります。リアルな「モノ」を扱っているため、どこかの工程でミスが起こると、途端に顧客価値を毀損してしまう可能性もあります。かつそれをグローバルに行うということで、振り返るとこの2年間でとんでもないことをやってきたなと思います。

とはいえ弊社ミッションの「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」は長い旅路です。エンジニアやコーポレート人材の採用、海外展開強化のための海外人材採用を積極的に進めております。詳細は下記リンクをご参照ください。この特大のチャレンジを共にしていただける方を大募集しております!