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【随想】 人生に必要なもの

 人生には、ふたりの“先生”が必要である。
 ひとりは「こうすればうまくゆく」を教えてくれる“成功の先生”。もうひとりは「こうしたらうまくゆかない」を教えてくれる“失敗の先生”である。
 しかし、どちらか一方の先生だけにベッタリと師事するのはよくない。
 なぜなら、うまくゆかない方法ばかり教わると、自分を過小評価する卑屈な人間になってしまうからダ。かと言って、うまくゆく方法ばかり教わると、自分を過大評価する傲慢な人間になってしまう。
 善い人生を送る秘訣は、“成功の先生”と“失敗の先生”の双方から等しく教わるコトではないか。
 しかし、現代社会は過保護である。
 うまくゆかない方法をなかなか体験させてくれない。
 だから、小さな怪我を怖れて、大怪我を被る羽目に陥る者が多いのダ。

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