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【絵本はスンゴく面白い!】第4話 ちいさなくも

※この記事は2020年8月に執筆した記事に加筆・修正したものです。

どうもこんにちは、絵本専門士のMATSU-Gです。
8月に入りいよいよ夏まっさかり!今年は自由にあちこちにいく…とは行きませんが、せっかくなので!2020年の夏はいまだけなので!それなりに楽しみたいですよね!!ね!!?
そんな気持ちをふわっと後押しする、イン・ザ・スカイ!アイ・キャン・フライ!な一冊をお届けします。

エリック・カールの名作のひとつ『ちいさなくも』です。

『ちいさなくも』
作:エリック・カール
訳:もりひさし
発行年:1996年12月
発行所:偕成社

皆大好きエリックさん!

エリック・カールといえば『はらぺこあおむし』『だんまりこおろぎ』などもう名作、傑作がやまのように出てくることでしょう。保育園や幼稚園で働いていなくとも、多くの方が「あ、これ知ってる!」「小さい時にみたことある!」と思うことでしょう。
 そんな中、今回の作品はまだ少し派手な感じはないのですけど、それでも立派にエリック作品です。絵本に穴が開いていたりページが縦に伸びるような派手さはないものの、得意のコラージュでのびのびと描いた世界は健在。今回は雲が主人公なので、空の青と雲の白がメインなので色鮮やかな雰囲気ではありません。極彩色ではない分色のコントラストがはっきりとしていて、かえってじっくり物語を味わえます。
 エリックさんはティッシュペーパー(皆が知ってるやつとはちょっと違うかもです)という紙に絵具を塗って作った素材を何種類も用意して、それを貼り絵にして絵を書くのを得意としています。なので、同じ色でも、絵によって全然違うタッチになることが多いのです。
 そこがもう面白くってたまらないのですが、今回は白です!!雲の白!!!その色のみをメインとしているのですが、まあ見えてくる表情の豊かなこと!そんな七変化的な面白さも、この絵本の楽しみの一つだと思います。

ああ、わかる!な気持ち

 「あの雲、あれに見える」みたいな発想は、結構どんな人でもやったことがある……と思ったら意外としたことない人、多くないですか?これやってみるとわかるのですが、案外めいいっぱいの想像力を使っちゃうんですよね。しかもそれを人に伝えようとすると、まあ難しいこと。この絵本では比較的イメージしやすいものが題材になっているので、そんなすれ違いはないんですけどね。
なので、これをみた後で実際に空をみて想像してみたり、雲の写真をとって何かイメージできるものの絵を描いてみたりすると、より豊かな発想ができるんじゃないかと個人的には思っています。そこで思い描いたものを共有して「あ、わかる!」「言われてみたらそう見える!!」と感じると、もっともっと面白いんじゃないかなぁ。

いちばん身近な自然

 海、山、川。私たちの近くにはたくさんの自然が溢れていますが、世界中どこに行っても存在している「空」が、人間にとって一番身近な自然だと思っています。特に日本には四季があり、空や雲の表情も様々。夏のぽっこりした入道雲も、真っ青な中に転々とした雲も、一度に楽しめるのは世界中でもそうないんだとか。
 中でも大きな建物が少ない沖縄は、広い空を味わうには絶好の場所。あんまりあちこち行けない今だからこそ、この絵本片手にいつも以上に空を味わってみてはいかがでしょうか。もちろん各地の空模様も素敵に楽しんで欲しいですね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
絵本専門士のMATSU-Gでした。

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